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野ボール横丁BACK NUMBER
「1年前と全然違う」高校野球バットの“売れ筋”が激変している「ミズノ・SSK“2強時代”が終わった」「なぜ売れる? “新2強”ここがスゴい」
posted2024/04/12 11:03
text by
中村計Kei Nakamura
photograph by
KYODO
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「ミズノ・SSK“2強時代”が終わった」
――この選抜大会から、ついに新基準バットが導入されました。長いこと続いたミズノ・SSKの金属バット「2強時代」がどう変わるのか。基準の変更が決まってからというもの、星さんは、ずっとその点に注目していたわけですが、実際のところ、勢力図に変化はあったのでしょうか。
星徹弥(以下、星) 1つ、答えが出ましたね。秋から冬にかけては選手たちもまだ手探り状態だったと思うんですけど、この春、うちの店で言うと、ゼットとイーストン、この2つのメーカーのバットが圧倒的に売れています。ゼットはいくつかのモデルが出ているのですが、ゼットパワーという商品が大人気です。10人いたら8人くらいまではゼットかイーストンのバットを買っていきますね。3月に入って、イーストンは1日あたり1、2本くらい売れました。イーストンは在庫がショートすることはないのですが、ゼットパワーは生産が追いついていない状態で、すぐなくなっちゃうんですよ。この前も20本入ったんですけど、2週間もしないくらいで売れてしまいました。
――旧基準時代の名作といえば、ミズノのVコングシリーズと、SSKのスカイビートシリーズでした。一世を風靡したモデルですから、いずれも後継となるモデルの製品をつくったわけですよね。
星 もちろんです。ミズノはVコングの後継としてVコング02を、SSKはスカイビートの後継としてビートフライトを投入してきました。しかし、まったく高校生の支持を得られませんでしたね。発売当初は、またVコング02とビートフライトが市場を席巻することになるかなと思っていたのですが、蓋を開けてみたら、この2つのモデルはスタートから大失速してしまいました。
売れるキーワード【1】「高い音」
――ゼットとイーストンは他のものと、どこがどう違うのですか。