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“清原和博ジュニア”の正吾が「慶大の4番」を任されていた…ホークス、社会人強豪も参加の“ナゾ大会”「薩摩おいどんカップ」とは 

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広尾晃

広尾晃Kou Hiroo

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posted2024/03/21 11:04

“清原和博ジュニア”の正吾が「慶大の4番」を任されていた…ホークス、社会人強豪も参加の“ナゾ大会”「薩摩おいどんカップ」とは<Number Web> photograph by Kou Hiroo

雄大にそびえる桜島。鹿児島の地で行われた「薩摩おいどんカップ」が興味深い内容だった

 同大会は単なる練習試合ではなく、プロ野球の公式戦が行われる鹿児島市の平和リース球場(鴨池球場)をはじめとする本格的な野球場が舞台となっている。また審判員も完備され、場内アナウンスもある。公式戦並みのグレードの試合が行われるのだ。

 多くのチームは春季キャンプのスケジュールに「薩摩おいどんカップ」参戦を組み入れている。期間中であれば、どのタイミングで参加しても良いので自由度は極めて高い。

 例えば昨年の神宮大会の覇者、慶応義塾大は昨年から参戦している。Aチームは2月17日に大分県のダイハツ九州スタジアムで始動し、19日には鹿児島に入り、3月14日まで「薩摩おいどんカップ」に参戦。14試合を戦う中で、チーム状態を上げていこうとしている。

取材した試合の先発は甲子園にも出たサウスポー

 3月4日の平和リース球場での試合、対戦相手は中国六大学の強豪、東亜大だった。

 慶応大の先発は新2年生の渡辺和大。高松商業時代、2021年、22年と夏の甲子園に出場し、5試合23イニングを投げて防御率2.66の成績を挙げた投手である。

 大学では1年生の秋に公式戦に初登板したが、今季は主戦級の活躍が期待される左の本格派だ。

 スタメンでは6人が慶応義塾高出身。いわゆる「塾高上がり」だ。昨夏の甲子園を制した慶応義塾高は、近年輩出する選手のレベルがどんどん上がっている。「塾高上がり」が、大学でもスタメンで数多く出る時代になっている。

 1番の二宮慎太朗は、慶応義塾高出身の新3年生。174cmと大きくはないがシュアな打撃で、得点源となることが期待される。3番の水鳥遥貴は慶応高校出身の新4年生。立派な体とシュアな打撃で、1年生から公式戦に出場、昨年秋は優勝を決めた試合でタイムリー二塁打を打つなど、リーグ優勝に貢献した。

最上級生となった清原ジュニア

 そして4番に座るのは――同じく慶応高校出身、新4年生の清原正吾である。

【次ページ】 慶大・堀井監督に同大会の意義などを聞いてみた

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