酒の肴に野球の記録BACK NUMBER
“清原和博ジュニア”の正吾が「慶大の4番」を任されていた…ホークス、社会人強豪も参加の“ナゾ大会”「薩摩おいどんカップ」とは
text by
広尾晃Kou Hiroo
photograph byKou Hiroo
posted2024/03/21 11:04
雄大にそびえる桜島。鹿児島の地で行われた「薩摩おいどんカップ」が興味深い内容だった
堂々たる体躯、右打席でバットを構える姿は、どうしても父・清原和博氏を想起させる。昨年の同大会も出場していたが、今季は打席での無駄な動きが少なくなり、落ち着きを増している。この試合では2安打を放った。清原は昨春リーグ戦で4試合に出て1安打を放ったが、秋は出場することができなかった。最終学年は、文字通り勝負の年になるだろう。
二番手にマウンドに上がった新3年生右腕・小川琳太郎は、石川県立小松高校出身。昨年から公式戦のマウンドに上がっている。回転の良い速球とスライダーが売り。3回を1被安打無失点に抑えた。一方で東亜大は先発の田中啓太が5回を無失点。小気味よい投球が光った。0-0のまま進んだ9回裏、河内稜人のタイムリーでサヨナラ勝ち。
慶応大は5安打、東亜大は7安打と安打こそ出たが、得点に結びつくような打撃が見られなかったものの、両軍選手の動きは良かった。この日は気温18度、やや風はあったがコンディションは最高だった。
慶大・堀井監督に同大会の意義などを聞いてみた
試合後、慶応義塾大学の堀井哲也監督に、同大会に参加する意義など幅広く話を聞いた。
「『薩摩おいどんカップ』はうちにとって、チームを仕上げる段階でいろんなチームと実戦ができるのが大きいですね。いろんな戦い方、いろんなバリエーションの攻め方をするチームと対戦することができる。お互いのチーム状態によっていろいろな試合が展開されるので、経験値を高めるうえでは絶好の機会になりますね」
――昨年からこの大会に参加していましたが?
「そもそもこの大会には“鹿児島の野球を元気にしたい”という主催者の意図がありました。そういう目的に少しでも貢献できればという思いもあります。もともとこの平和リース球場は、千葉ロッテさんが春季キャンプをしておられた。今はプロ野球はキャンプをしていませんが、それだけに機会があればぜひ鹿児島で野球をしたいと思っていました」
――そもそも、大学野球の春季キャンプではどういうことが大事になるのでしょうか。
「4年生が抜けて、新チームになりました。冬の間に新チームについて想定して、期待していたことが果たしてできているのか。実戦でどんな形が出るのかを確認することが一番大事ですね」
――「薩摩おいどんカップ」にはAチームが参戦していますが、どういったメンバーでしょうか。
「現時点ではベストメンバーに近いですね。彼らに今シーズンをひっぱって貰いたい。キャンプインして2週間近くたちます。いろんな部位で身体の張りも出てきているので無理はさせられませんが、その中で実戦経験を積んでほしいですね」
清原は今のところ打順を5番から…
――清原選手は、昨年もこの大会に出場していましたが?