酒の肴に野球の記録BACK NUMBER
“清原和博ジュニア”の正吾が「慶大の4番」を任されていた…ホークス、社会人強豪も参加の“ナゾ大会”「薩摩おいどんカップ」とは
text by
広尾晃Kou Hiroo
photograph byKou Hiroo
posted2024/03/21 11:04
雄大にそびえる桜島。鹿児島の地で行われた「薩摩おいどんカップ」が興味深い内容だった
「清原は、今のところ実戦で結果を出し続けているので、昨日から打順を5番から4番に上げました。当然ながら、彼には今年、中軸として期待をしています」
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「薩摩おいどんカップ」で驚くのは、観客の多さである。この日は月曜日だったが、バックネット裏には多くのファンが詰めかけていた。この球場だけでなく、鹿児島県下各球場にも熱心に試合を見つめるファンの顔があった。今更ながら鹿児島が春季キャンプ地でなくなったのは一抹の寂しさを覚える。
この大会を主催する「薩摩おいどんカップ実行委員会」の小薗健一実行委員長は、このように語る。
「去年、初めてこの大会をやってみて、反響の大きさに驚きました。みんな春になると野球を待ちわびていたんですね」
観光地めぐり、グローブ作りも
小薗氏は実業家の傍ら、鹿児島県立枕崎高校の野球部監督を永年務め、野球の普及活動に尽力してきた。
「今年は全92試合のイニング速報を発信しています。また高等学校の友情応援のブラスバンドも登場しました。
それから、今年は会場入り口で『おいどんパスポート』という冊子を600円で販売しました。600円を支払えば、300円の選手名鑑がついてくるうえに、桜島フェリーの乗船券、鹿児島中央駅の観覧車の乗車券、温泉の入浴券もついています。鹿児島に野球を観に来たついでに鹿児島観光を楽しんでくださればと考えています。
今年はZETTさんの協賛で『親子グローブ作り教室』を無料で開催しました。大谷翔平選手のグローブプレゼントの影響か、すごい反響でグローブの数も急遽増やすことにしました。また福岡ソフトバンクホークスさんの野球教室も大好評でした。
正直なところ、野球人口は減っています。だから大会を実施しても、どこまで野球関係者以外の方に受け入れられるんだろうかと思っていましたが、いい方に当てが外れました。野球ってまだまだやっぱりいけるなと、それが一番の感想ですね」
プロ野球と大学、社会人の対戦など、普段は見られない試合も見ることができる。
野球好きは「春旅」を企画するときに「鹿児島」を選択肢に入れてはどうだろうか?