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19歳で結婚・遠藤航「家族が第一は普通」リバプール自宅で語った“死ぬほどサッカーを頑張る理由”「代表戦のタオルはタケや薫が多いけど…」
text by
小野晋太郎Shintaro Ono
photograph byReuters/AFLO
posted2024/02/24 17:01
クロップ監督やチームメイトの信頼を勝ち取った遠藤航(31歳)。「家族」の存在がモチベーションになっていると語る
「(家族のことが第一なのは)普通だと思いますけどね、一般の人もそうですよね。ただ、たまに、何で俺こんなに死ぬほど(サッカーを)頑張っているんだろうって思いますよ。プロになってほとんど遊んでないし、冷静にサッカー選手としての自分を俯瞰で見たら、浦和に行った時点でも、『十分良くやった』でいいじゃないですか。
そもそも、人気もあったわけじゃないからなぁ……プレースタイル的にも、たとえば日本代表の試合に来てくれているサポーターのタオルが一番多いのはタケ(久保建英)とか(三笘)薫で、俺と守田(英正)はほぼいない(笑)。でも、なんかそれでいい、ともずっと思っていて。俺は俺のことわかってくれる人だけわかってくれればいいし、近くはそういう人には恵まれていた。その思いで、ここまで来れたから」
ちなみに妻とケンカをすることはほとんどない。相談事も珍しく、これまでの移籍も全て自分で決めて、最後に報告する。それでも、締めるところは締めるのが遠藤流。最近、結婚の10年祝いに指輪をプレゼントした。詳細は避けるが、かなりロマンチックな方法で。「いつもやると思われると困りますからね」と笑った。サプライズはたまに、やるのがいいらしい。
「家で、夜まで待っといてくださいよ」
ロンドン観光から、遠藤家に泊めてもらった翌日の朝。リバプールは昼から練習があった。リビングでは、すでに遠藤が朝ごはんのシリアルを何種類も用意してくれている。そして、僕の「そろそろ、帰った方がいいかな」という雰囲気を察したのか、こう言葉をかけてくる。
「夜はマンチェスターで食べたいご飯があるから、一人で行くのもあれだし、家で夜まで待っといてくださいよ」
結論から逆算して、効率的で、相手への優しさを気遣うような回答を一発で提示してくる。こんな大人になりたい……ということで、ずうずうしくも、その後も(なんと)2日間も自宅に泊めさせて頂いた。遠藤がリバプールの練習に行っている間、僕は何故か一人、担当する『見取り図じゃん』というバラエティ番組の編集で頭を悩ませ待っている。
明後日には、遠藤が“人生を懸けた大勝負”と位置付けていた12月の公式戦が始まる。次稿では、フル出場した試合直後「どうせ寝られないんで……」と語った最後の夜の話を――。
(#3へ続く)