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「俺んち、泊まれば?」遠藤航に密着TVディレクターは見た…リバプールで愛されるまでの“壮絶な1カ月”「ファウルしないとかあり得ない」

posted2024/02/24 17:00

 
「俺んち、泊まれば?」遠藤航に密着TVディレクターは見た…リバプールで愛されるまでの“壮絶な1カ月”「ファウルしないとかあり得ない」<Number Web> photograph by PA Images/AFLO

プレミアリーグで首位を走るリバプールで定位置を確保した遠藤航(31歳)。人生最大の勝負と位置付けた12月、どんな心境で戦っていたのだろうか

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小野晋太郎

小野晋太郎Shintaro Ono

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 失意のカタールを後にした遠藤航(31歳)は、すぐに熾烈な競争が待つ“日常”に戻った。直後のリーグ戦では3試合連続でスタメン出場を果たして勝利に貢献。英メディアから「中盤の要」と評されるほど安定感をもたらしている。
 遠藤がレギュラー奪取に奮闘していた昨冬、旧知のテレビディレクターが偶然リバプールを訪ねていた。観戦のつもりが、予期せぬ密着取材が始まって――移籍後の初タイトルがかかるカラバオカップ決勝(日本時間2月25日24時)を前に、日本代表キャプテンがこぼした本音と素顔を、全3回にわたってお届けする。

 ロンドンからマンチェスターに向かう特急列車。目の前には、世界有数のビッグクラブで、スタメンを勝ち取る寸前の日本代表キャプテンが座っている。僕は文字通り、遠藤航に密着していた。

 遠藤が後に語った「人生最大の勝負を懸けた1カ月」。その直前、何を考えていたのか――。

アリソンがファンダイクにブチギレ

 2023年11月25日、世界一と呼ばれるプレミアリーグの首位攻防戦が行われた。1位マンチェスターシティvs2位リバプール。ハーフタイムのロッカールームには熱気が充満していた。遠藤の隣にはいつも、リバプールの主将フィルジル・ファンダイクが座っている。

「何でもっと激しく行かないんだ!」

 リバプールは、シティのエースであるアーリング・ハーランドに先制点を許した。ブラジル代表GKアリソン・ベッカーが、オランダ代表DFファンダイクを怒鳴りつけている。とはいえ、実はシティの攻撃はアリソンのミスキックから始まったもの。それでも、裏をとられたのはファンダイクだからか、特に言い返すことはない。

 リバプールに来て最初に驚かされたのが、アリソンの高い技術だった。このやりとりを見て、遠藤はアリソンが世界一のゴールキーパーだと改めて確信する。単にミスを指摘したことではなく、失点直後でも、変わらぬ姿勢とハイパフォーマンスを維持し続けていたからだ。

「日本人は、結構ミスしたらベクトルが自分に向くんですよね。『俺のせい』っていうネガティブ感。当たり前だけど、それって試合中は意味がない。ある意味、それを人のせいまで持っていけるのが世界のビッグクラブのゴールを守るってことなのかな。それくらいのメンタルが必要だと思いますね」

【次ページ】 「ワタ、いくぞ」驚いたシティ戦の投入

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