今年で26年…最も優勝から離れたチームに

――今年で優勝から26年は12球団で最もタイトルから遠ざかっているチームですが、オリックスも広島も25年目で優勝して、そこから3連覇しました。

高田　そういうことですよ。ひとつ壁を突き破れるか、なんだけどね。勝てなきゃいけない大事な試合を勝ち切れないとか、1点差をものにできないとか、勝った経験がやっぱりないと、そういう勝負どころがどうしてもね。

インタビューに答える現在の高田さん　©Hidenobu Murase

――どうすれば身に付くのでしょう。

高田　一朝一夕には変えられませんよ。1本のヒットをいかに効率的に点に結びつけるか、というのは、いまの野球界全体でもあまり考えてやっているチームは少なくて、どちらかといえば打てばいい、抑えればいいという傾向になってきているでしょ。選手に野球を教えるのは、ひとつは指導者の考え方。そして要求を実行できる選手。最後は球団が評価をするということ。

――野球のうまさ、考える力は、元の素養だけじゃないんですね。

高田　プロ選手はお金やからね。いくら指導者が要求したことを実行してきっちり進塁打を打ったとしても、球団がそういう送りバントや進塁打、粘って相手に何球投げさせた……なんて勝利のために犠牲になる働きを自分の給料に反映してくれれなければ誰もやろうなんて思わない。去年タイガースの岡田が、フォアボールの査定を上げたこともそうだしね、アマチュアじゃないんだ。プロは自分が生きるため、他人より数字を残さなければ自分がクビになる。

阪神の岡田監督は昨季、球団に掛け合って四球の査定をアップさせたと報じられた　©Hideki Sugiyama

――でもそこはベイスターズも評価しているはずですよね。

高田　きっちりやっているはずですよ。ただ、選手はやっぱり2割8分よりは3割と数字を残したいと思うのは当たり前のこと。三浦（大輔）監督も最初は考えて野球をする。足を使って、進塁打を効果的に使ってという、前任の（アレックス・）ラミレス監督とは違う野球を目指していた。『これは変わるかな』とも思ったけど、実際にサインを出しても失敗が続いてしまったでしょう。実行できる選手がいなかった。ということは、最終的にそういう選手を獲ってこなかったということ。だから、三浦監督は可哀そうだった部分もあるよね。

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