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「度会を獲ったならクビを懸ける覚悟が要る」元GM高田繁が語る“DeNA26年ぶり優勝”に必要なこと…三浦監督の成功は「今後の球団方針に関わる」
posted2024/02/28 11:01
text by
村瀬秀信Hidenobu Murase
photograph by
JIJI PRESS
一線を退いていた2011年12月。親会社が変わったDeNAベイスターズから三顧の礼で迎えられ、チーム作りの一切を任されるGMに就任。焼け野原の中から7年間かけ、チームの土台をつくりあげると、2018年いっぱいでGMを退任した。御年78歳。プロ野球の第一線から退いて早5年。そんな高田繁元GMに昨年、前評判の高かったなかで優勝を逃したベイスターズに関して聞いた。<Number Webインタビュー全2回の第2回/第1回も配信中>
――チーム作りの話の前に、まずはDeNAベイスターズのことをお聞きしたいのですが。
高田 はいはい。まぁ……いまだに悔しいよね。去年は大チャンスや。ピッチャーには最多勝の東(克樹)がいて、今永(昇太)もいて、サイ・ヤング賞の(トレバー・)バウアーまで加入した。野手も牧(秀悟)と宮崎(敏郎)がおってな……いや悔しいわ。戦力的に乗ったらイカれるなと思っとった巨人もコケよったし、阪神が岡田(彰布)監督の下でうまくまとまったよね。俺もファンの一人としては『なんで勝てないんや』と言いたいんですよ。だけど、これ、逆に俺が言われたら困ってしまうからね、言わない(笑)。
――気持ちがよくわかる、と。
高田 そうだね。一番悔しいのは現場や。この2~3年ぐらいは、そろそろ優勝してもおかしくないチーム力が備わってきたというのはあるんやけどな。勝たなきゃいけない年、最大のチャンスを逃して、こっからだよね。
「優勝できる力がチームについていることは間違いない」が…?
――その大チャンスを逃してしまった直後の今年はどう考えられますか。
高田 うん。厳しい。今年は大変だよ。そんなの誰が考えてもそうよな。ローテの柱だった今永が抜けてバウアーもいまだ契約に至らず。戦力的にはかなり厳しくなることは、みんなわかっているし、それを見越しての準備もしてきたやろ。俺はがんばれとしかいえんけどな。
――なんで、いつまでも優勝させてもらえないんでしょうか。
高田 優勝をするぐらいの力がチームについていることは間違いない。ただ、ひとつめの壁を突き破れるかなんだよ。高校野球でも地方予選で決勝の壁を何年も破れなかった学校が、一度勝つと続けて出場するようになるでしょう。それと同じことがプロでも起こる。