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「40歳を超えてからのほうが楽しい」和田毅(42歳)がソフトバンクで野球を続けるモチベーションとは?「今はボーナスステージだと思って…」
text by
石井宏美Hiromi Ishii
photograph byTakuya Sugiyama
posted2024/01/17 11:00
2005年から続ける「僕のルール~1球投げるごとに10人分のワクチンを寄付」で、HEROs AWARD 2023を受賞した和田毅
「そういった子どもたちに野球用具を提供できるようなシステムを作れないかなと考えたんです。『お金がかかるから野球を諦めよう』とか、それが理由で野球が嫌いになってしまうのは残念なこと。将来、野球をやる、やらないは関係なく、子どもたちがこれから歩んでいく人生のなかで、野球が少しでもプラスに働いて欲しいという思いが強かったんです」
応募条件は作文の提出で、和田はその選考委員も務めている。子どもたちの野球に対する熱い想いには毎回目頭が熱くなる。
「野球をやれていることに対して周囲の人たちへの感謝の気持ちが書かれていて、その中に野球が大好きだという思いもたっぷりと込められていた。自分が子どもの頃にこんなことを考えながら野球をやっていただろうか、と考えさせられることが多かったですね。純粋に野球を続けたいと思っている子どもたちがこんなにもたくさんいるんだということを知って、何とかして支援したいと思いました。年々、そういった思いはどんどん強くなっています」
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2月21日には43歳を迎える。プロ22年目の新シーズン。日米通算163勝を誇る1980年度生まれの松坂世代最後の現役NPB選手は、自己最速更新も視野に入れている。
「何歳までやりたいとかそういった目標はないんですが、一度は150kmを出したいですね。2022年に149kmまでは出せたんですが、あと1kmの壁が高かった。2023年は147kmまでしか出せなかったので、なんで2km落ちたんだろう、何が足りなかったんだろうと分析したり。150km出すためにどんなトレーニングをしたらいいのか、何が必要なのかを考えるだけでも楽しいんですよ」
40代で2桁勝利を達成すれば、パ・リーグの左腕では史上初の快挙だ。日本球界の投手でも過去6人しかいない。ハードルは高いが、高ければ高いほどやりがいも大きい。
今季も和田はマウンドに立ち、そして大好きな野球と日々向き合う。