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「40歳を超えてからのほうが楽しい」和田毅(42歳)がソフトバンクで野球を続けるモチベーションとは?「今はボーナスステージだと思って…」
posted2024/01/17 11:00
text by
石井宏美Hiromi Ishii
photograph by
Takuya Sugiyama
福岡ソフトバンクホークスの42歳左腕は、2023年シーズン、21試合の登板で8勝を挙げ、7年ぶりに100投球回に到達。球団最年長勝利記録も32年ぶりに更新し、先発ローテーションの一翼を担った。クライマックスシリーズ第3戦で鬼気迫る投球で5回を無失点に抑えたのが記憶に新しい。
「シーズン前半は体調不良があったり、アクシデント的なものはありましたが、先発で20試合投げられたのは本当に久しぶりでした。結果にはまったく納得していないけれど、ここ数年の投球を考えれば充実した1年になったんじゃないかと思います」
メジャーリーグから2016年に日本球界に復帰後、左肘の手術や左肩を痛め1年半ほど投げられない苦しい時期も過ごした。何度も「もう無理かな」という考えが頭を過ったこともあったという。
「2019年6月頃に復帰できて、以降、肩やひじの大きな故障もなく、今に至っています。2023年はここ数年で一番投げられたシーズンだった。あと何年やれるか分からないですけど、やれるだけやってみようかなという気持ちになっていますし、一方ではいつでも辞める覚悟もできています」
来シーズンはボーナスステージ3
そう思えるのは2003年の入団時に掲げていた「40歳まで第一線」という目標をクリアできたからなのかもしれない。
「本当に(球団が)40歳までよくやらせてくれたなと思います。2月には43歳になりますが、自分のなかでは今はボーナスステージだと思っているんです。だから2024年はボーナスステージ『3』。あとどれくらいこのボーナスステージがあるのか分からないですが、どこまでやれるのか挑戦していきたいと思っています」
一日一日を後悔なく過ごし、全力で駆け抜けてきたからこそ訪れたボーナスステージ。
40歳までよりも「40歳を超えてからの方が楽しい」と笑みを浮かべる。