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16歳で高校中退→メジャー挑戦「親として同じことが言えるかな」なぜマック鈴木48歳はトライアウトLの顔として活動するか〈オリックス秘話も〉
posted2024/01/17 11:01
text by
広尾晃Kou Hiroo
photograph by
Kou Hiroo
2023年11月23日から12月24日まで、沖縄県下で行われた日本初の本格的なトライアウトリーグである第2回ジャパンウィンターリーグに、今年もマック鈴木(48)がやってきた。
野球選手たちの中に混じっても、ひときわ目立つ偉丈夫は、ジャパンウィンターリーグのアンバサダーとして、若い選手たちを指導したり、アドバイスをしたりしていた。
やはりここはOBとして、昨今のオリックスのことを聞いてみたい。そこで尋ねると、様々な打ち明け話をしてくれた。
当時と今のオリックス、どのような変化があったか
――マック鈴木さんは2002年、カンザスシティ・ロイヤルズを退団し、2003年、オリックス・ブルーウェーブに入団しましたが?
「昔のオリックスはパ・リーグで、本拠地が神戸で、でも会社の主要なオフィスは東京という感じでした。東京の社員がチケットを持って営業回りをしても売るのが大変やったって、聞いたことがあります。もちろん当時の社員の方はみんな偉くなっていますが、そのころに比べればお客さんは満員だし、強いし、すごい違いですね。
僕はブルーウェーブで2年プレーした後、2004年の球界再編の分配ドラフトで、オリックス・バファローズに改めて入団しました。この年は一軍で投げることができなかったのですが、仰木彬さんが監督に就任されて、チームをまとめようとしてくださった。でも病気で亡くなられて、もう少し指揮を執っていただければ……と思います」
――当時と比べて、今のオリックスはどう違っていると思いますか?
「僕はここ8年くらいオリックスの宮崎での春季キャンプ第1クールの中継に、解説で呼んでいただいています。3連覇する以前から、打線さえつながればAクラスの戦力だとずっと思っていました。でも打線のつながりがよくなかった。やはりキャリアがある選手を優先して使いたいがために、適材適所にできなかったんですね。それが中嶋聡監督になって変わりましたね。
中嶋監督は、二軍監督として若手選手をしっかり見てきたので、この選手は一軍で使い続ければ結果を残せる、という自信があった。だから昨年は135通りものオーダーを組んで勝つことができたんでしょう。二軍から引っ張ってきた選手をパッと一軍で使うというスタイルが画期的だったのではないでしょうか」
小林さんと中嶋さんの師弟関係がすごくいい関係なんです
――中嶋聡監督になってから、宮崎の春季キャンプは「一軍」「二軍」で分けるスタイルではなくなりました。