酒の肴に野球の記録BACK NUMBER
先発トップ山本由伸、救援2位の松井裕樹がメジャーに去るが…3位以下を見ると「投手王国オリ」は盤石か〈パ投手:貢献度指標ランキング〉
text by
広尾晃Kou Hiroo
photograph byNanae Suzuki/JIJI PRESS
posted2023/12/31 11:10
山本由伸と松井裕樹。MLBに挑戦するパ・リーグ産の剛腕はどんな貢献度指標を残したか
今季のPR第2位には彗星のように現れた山下舜平大、さらに左腕・宮城も4位に。他球団でいえば絶対的なエース級が、山本由伸のほかに2枚も現れたのだから、中嶋監督も無理をさせる必要がなかった。
ソフトバンクは、前述したとおり千賀の移籍が大きかった。他の投手では穴埋めができず。出遅れて6月から試合に出始めたMLB戻りの有原が辛うじて上位に来た。ロッテは佐々木朗希が7月で戦線離脱。それがなければ朗希は山本由伸の数字に迫った可能性もあった。
救援投手の“ここ2年の貢献度”も比べてみると
続いて40試合以上投げた救援投手のPR15傑。
〈2022年〉
藤井皓哉(SB)55試5勝1敗3S22H 56.1回率1.12 PR12.79
モイネロ(SB)53試1勝1敗24S8H 52.2回率1.03 PR12.48
阿部翔太(オ)44試1勝0敗3S22H 44回率0.61 PR12.48
平良海馬(西)61試1勝3敗9S34H 57.2回率1.56 PR10.27
水上由伸(西)60試4勝4敗1S31H 56回率1.77 PR8.67
平野佳寿(オ)48試3勝2敗28S8H 46回率1.57 PR8.14
*松井裕樹(楽)53試1勝3敗32S7H 51.2回率1.92 PR7.14
東條大樹(ロ)59試4勝4敗30H 56.1回率2.08 PR6.78
本田圭佑(西)45試4勝2敗20H 50.1回率1.97 PR6.67
*嘉弥真新也(SB)56試0勝0敗28H 27.1回率0.99 PR6.6
森脇亮介(西)43試1勝1敗1S10H 36.2回率1.72 PR5.88
西口直人(楽)61試4勝0敗30H 55.2回率2.26 PR5.59
小野郁(ロ)44試0勝0敗18H 40.2回率1.99 PR5.3
増田達至(西)52試2勝5敗31S5H 51.1回率2.45 PR4.07
〈2023年〉
オスナ(SB)49試3勝2敗26S12H 49回率0.92 PR12.17
*松井裕樹(楽)59試2勝3敗39S8H 57.1回率1.57 PR10.1
西村天裕(ロ)44試4勝0敗14H 43.1回率1.25 PR9.17
平野佳寿(オ)42試3勝2敗29S5H 40回率1.13 PR9
宇田川優希(オ)46試4勝0敗2S20H 45.2回率1.77 PR7.03
*河野竜生(日)50試1勝4敗20H 42.1回率1.70 PR6.84
山﨑颯一郎(オ)53試1勝1敗9S27H 52回率2.08 PR6.21
ペルドモ(ロ)53試1勝3敗1S41H 50.2回率2.13 PR5.77
内星龍(楽)53試4勝2敗7H 55.1回率2.28 PR5.38
渡辺翔太(楽)51試8勝3敗1S25H 48.2回率2.40 PR4.08
平井克典(西)54試4勝3敗28H 53回率2.55 PR3.56
大津亮介(SB)46試2勝0敗13H 40.2回率2.43 PR3.28
甲斐野央(SB)46試3勝1敗2S8H 42.2回率2.53 PR2.96
*田浦文丸(SB)45試2勝1敗7H 34回率2.38 PR2.93
*佐藤隼輔(西)47試1勝2敗18H 39.2回率2.50 PR2.89
ソフトバンクは、ロッテから移籍したオスナが圧倒的なクローザーとして君臨。モイネロは戦線離脱したが、オスナがそれをカバーした形だ。ソフトバンクは、復活途上の甲斐野、新鋭の大津、田浦と救援陣の枚数が揃いつつある。
ロッテ益田、西武・増田の両クローザーは踏ん張りどころ
昨年のオリックスは、38歳(当時)の平野佳寿にやや衰えが見え、阿部がカバーしたが、今季はWBC戦士の山﨑颯一郎、宇田川優希が戦線に加わり、救援陣の層が厚くなった。平野が連投になるときは山﨑颯がクローザーになった。前述のとおり「抜群」とは言えないが、打線と同様「やりくり」が利く救援投手陣だったと言えよう。