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プロ野球PRESSBACK NUMBER
“松坂世代”でも未だ現役…元DeNA・久保康友43歳が“野球はマイナー”なドイツで「ユニフォームを毎日洗う理由」を質されたワケ《NPB通算97勝》
text by
沢井史Fumi Sawai
photograph byJIJI PRESS
posted2023/12/22 11:02
2005年のロッテ時代にはパ・リーグ新人王にも輝いた久保康友は43歳のいまもドイツで現役を続ける。右はセの新人王・青木宣親
「世界遺産がたくさんある」イタリアでのプレーを目指すが…?
「プレーしながら色んな景色を見たいというのが強かったんです。例えばイタリアは世界遺産がたくさんある。それで、DeNA時代の後輩だった濱矢(廣大)が当時イタリアのリーグでプレーしていたので(※今年はオーストラリアのリーグに所属)、最初はイタリアの独立リーグで選手を募集しているチームがないか調べてもらったんです。
そもそもヨーロッパで野球チームがある国はどこなのか。どんなレベルなのかも調べてもらったんですけれど、やはりレベルが高いのはオランダ。でもオランダは社会人野球時代に遠征で行ったことがあるので、行ったことのない国がいいと思いました。イタリアにもチームは幾つかあったんですけれど、選手を募集していなかったんです」
そこでオランダ以外に野球リーグがあるドイツ、チェコにも目を向けた。
条件や報酬額など募集要項を集めてもらい、その中でドイツの4チームに絞った。久保は英語ができないため、濱矢を通じて英語が話せる者に間に入ってもらうなど協力を得ての交渉だった。
その中で最終候補に挙がったのが外国人投手を募集していたドイツ・ブンデスリーガのハンブルク・スティーラーズだった。
最初は実績を記したテキストや、投げている最近の映像を送り「142~143kmほどのスピードが出ていた」と申告しても相手からなかなか信頼を得られず、返答が来なかったという。
英語が話せないため詰めた交渉が出来ず気をもんでいると、チームのアカデミーに所属する子どもに日本人の母親がいることが分かり、その母親が交渉の間に入ることに。すると、彼女が日本での久保の活躍を知っており、監督にそのことを伝えるとようやく交渉が進み、契約に至った。