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プロ野球PRESSBACK NUMBER
“松坂世代”でも未だ現役…元DeNA・久保康友43歳が“野球はマイナー”なドイツで「ユニフォームを毎日洗う理由」を質されたワケ《NPB通算97勝》
posted2023/12/22 11:02
text by
沢井史Fumi Sawai
photograph by
JIJI PRESS
プロ野球の日本シリーズが幕を閉じ、ストーブリーグの熱も高まって来る12月。メディアで目につくのはMLBへの挑戦や、新天地で活躍を期す輝かしい顔ばかりだ。一方その裏では、人知れず新たな道を模索する求道者もいる。
四半世紀前に甲子園を沸かせた「松坂世代」。その一人として日本プロ野球界で3球団を渡り歩き、NPB通算97勝という輝かしい成績を残したのが久保康友だ。久保はいま、ドイツで野球を続けている。欧州では野球はあくまでマイナースポーツ。ルールを知る人もほとんどいない異国の地で、久保はなぜ野球を続けているのだろうか?(Number Webノンフィクション 全2回の第1回/続きは#2へ)
NPBではロッテ、阪神、DeNAと3球団を渡り歩き計13年。
05年には新人王に輝き、通算97勝を挙げた右腕は、今年、日本から1万km以上離れたドイツ独立リーグのマウンドに立っていた。
あの“松坂世代”として甲子園を沸かせた世代も、いまやNPBで現役を続けるのは和田毅(ソフトバンク)だけだ。そんな中で、実は久保康友も遠い地で地道に腕を振り続けている。
43歳で未だ現役を続ける理由は…?
今年で43歳になった。40歳を超えても現役を続ける理由を久保に尋ねると、少し困惑したような表情でこう返した。
「現役にこだわっているという感覚は正直ないんです。僕は今まで社会人、プロでやってきましたけど、大学に行っていないので、今は大学に通うように社会勉強をしている感覚なんです。野球は……趣味なんですよ」
17年オフに所属先の横浜DeNAベイスターズから来季の構想外と告げられた時、実はちょっとした安堵感もあった。
「NPBにいる間は何もかも我慢してきたので、ようやく解放された感じでした」
“戦力外”と自分に告げた球団幹部に御礼を述べて握手を交わしたというエピソードは有名だ。