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プロ野球PRESSBACK NUMBER
“松坂世代”でも未だ現役…元DeNA・久保康友43歳が“野球はマイナー”なドイツで「ユニフォームを毎日洗う理由」を質されたワケ《NPB通算97勝》
text by
沢井史Fumi Sawai
photograph byJIJI PRESS
posted2023/12/22 11:02
2005年のロッテ時代にはパ・リーグ新人王にも輝いた久保康友は43歳のいまもドイツで現役を続ける。右はセの新人王・青木宣親
3月に渡航し、最初の1カ月はアパートで若い選手とのルームシェア生活。
その後はチームのアカデミーに子供が所属しているホストファミリーの家で生活することになった。
「自分は全く料理ができないし、ホームステイは未経験なのでむしろやってみたかった。すごく楽しみでしかなかったですね」
未知の世界にどんどん飛び込んでいくことこそが、久保の“生きる道”だ。
アメリカやメキシコでも、ハングリーな若い選手らとの共同生活や、治安の悪いエリアで徒歩移動を余儀なくされ危ない思いもしたが、“これも経験”と自らに言い聞かせている。
「普通に日本で生きていたら、触れることは絶対にないじゃないですか。もちろん、怖いこともありますけれど、何事も意識的に触れていきたいんです。危ないとか治安が悪いとか色んな情報を聞いていても、その国に入ってみないと分からないこともたくさんあります。
アメリカやメキシコは国のイメージと実際の印象が地域によって全然違うんです。だから半分ワクワク、半分は不安でした。ドイツは今回初めてでしたし、どういうことをしたら危ないのか最初は分からなかったんですけれど、チームのアカデミーの中でそういうことを教えてくれる人がいたのでありがたかったです」
野球=マイナースポーツなドイツで受けた「洗礼」
とはいえ、ドイツでも“洗礼”はあった。
ホームステイ先でユニフォームなどを毎日洗濯していると、なぜ毎日洗濯するのか尋ねられたことがあった。ヨーロッパは環境問題について敏感で、水や電気を過度に使用することを敬遠する。そのため、「汚れたからすぐ洗う」という意識が日本より薄く、ドイツでは毎日洗濯をする習慣がないことを知った。
もともと水道代、電気代が日本の約3倍かかるという事情もあり、少々ユニフォームが汚れても続けて使うようになった。日本の当たり前が当たり前ではないことを欧州の地で痛感した。
<続く>