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「我流で『ここまで飛ばせるのか!』という選手も…」それでも元DeNA・久保康友43歳が感じた「欧州で野球が根付かない」理由《ドイツで現役続行》

posted2023/12/22 11:03

 
「我流で『ここまで飛ばせるのか!』という選手も…」それでも元DeNA・久保康友43歳が感じた「欧州で野球が根付かない」理由《ドイツで現役続行》<Number Web> photograph by AFLO

「松坂世代」の久保康友は43歳のいまもドイツで現役を続ける。欧州での野球の普及にも興味を持っているという

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沢井史

沢井史Fumi Sawai

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 プロ野球の日本シリーズが幕を閉じ、ストーブリーグの熱も高まって来る12月。メディアで目につくのはMLBへの挑戦や、新天地で活躍を期す輝かしい顔ばかりだ。一方その裏では、人知れず新たな道を模索する求道者もいる。

 四半世紀前に甲子園を沸かせた「松坂世代」。その一人として日本プロ野球界で3球団を渡り歩き、NPB通算97勝という輝かしい成績を残したのが久保康友だ。久保はいま、ドイツで野球を続けている。欧州では野球はあくまでマイナースポーツ。ルールを知る人もほとんどいない異国の地で、久保はなぜ野球を続けているのだろうか?(Number Webノンフィクション 全2回の第2回/前回は#1へ)

ドイツリーグは「ギャラが出るのは外国人選手のみ」

 ドイツのリーグは、北部で6、南部で7チームに分かれ、土日にナイターで試合が開催される。国内の選手たちは平日の昼間にそれぞれが仕事をしながらプレーしており、ギャランティが発生するのは外国人選手のみだ。

 外国人選手は、月曜日と水曜日の昼間に練習するアカデミーのコーチを務め、平日は週に3度、夕方から数時間のチームの全体練習に参加するが、国内の選手はそれぞれの生活事情があるため、必ずしも全員参加とまではいかない。

「仕事をしながら貴重な休みの土日に試合をするので、本当に野球が好きな人たちが集まっています。20代の若い人がほとんどで、家庭を持っている人もいる。中には子供が生まれて一層仕事を頑張らないといけないからと突然チームを辞めてしまう人もいるんです」

 南北の地区リーグは4月から7月まで行われ、その後に北部、南部の各上位4チーム同士のプレーオフが始まる。4位以内に入らないと7月でシーズンが終わる可能性もある中、今季のスティーラーズは北部で2位となるも、プレーオフで敗退した。

 久保は毎週日曜日に登板するローテーションを最後まで守り切り、全30試合のうち15試合で先発し、11勝4敗と大車輪の活躍を見せた。週間最優秀投手を2度、シーズンにて北部の最優秀投手賞も受賞した。

【次ページ】 「我流でここまで飛ばせるのか」と驚かされる選手も

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