通算13人目…”2巡目指名1番手”の中日が選ぶのは？

【中日　2023年ひとりドラフト指名選手】

✕　武内夏暉　　22歳　投手　國學院大　185cm90kg　左投左打（ヤクルトとの抽選に敗れる）
1位　岩井俊介　22歳　投手　名城大　182cm90kg　右投右打
2位　上田希由翔　22歳　三塁手　明治大　183cm93kg　右投左打
3位　山田脩也　18歳　遊撃手　仙台育英高　177cm73kg  右投右打
4位　森田駿哉　26歳　投手　Honda鈴鹿　186cm86kg  左投左打
5位　石田裕太郎　22歳　投手　中央大　180cm78kg  右投右打
6位　仲田侑仁　18歳　一塁手　沖縄尚学高　186cm96kg　右投右打

【中日　総評】

　セ・リーグ最下位でも、チーム防御率は上から2番目。懸命に失点を抑えてきたドラゴンズ投手陣だが、左腕の先発組にちょいと陰りが見えて、1位は来春の頭からでもローテーションに食い込む可能性を秘めた武内夏暉（國學院大）で行ったが、無念、5割の確率を逸して、地元、愛知六大学の剛腕・岩井俊介（名城大）に落ち着く。

　150キロ前後の剛速球は2600回転台と、プロでも少ないはずの驚異の球質。「捉えた！」と思ったバットを粉砕できる破壊力は、かつてのエース小松辰雄を思い出させる。

　2位で迷った。通算13人目の指名。選手はまだいくらでもいる。

　スポーツ紙既報の度会隆輝（ENEOS）は確かに好素材だが、1、2番タイプだ。昨年も2位で村松開人（内野手・明治大）を獲っている。今のチームに必要なのは「ポインタゲッター」、タイムリーの打てる選手だ。

　適役がいる。それも地元・愛産大三河高出身の上田希由翔（三塁手・明治大）。広角に柔らかい打ち方が出来て、長打力もある。ホームランを狙ってよい場面では豪快なフルスイングで、2死3塁なら測ったように一、二塁間を抜いて、相手投手の心を折る。高い確率で長打にできるツボを持っているのも頼もしい。長距離打者……いや、中距離打者すら、なかなか育たない今のドラゴンズの中で、果たしてどんな未来を構築していくのか。

　守備範囲の打球はそつなくアウトにできるのは、安定したスローイングがあるから。派手なプレーはなくても、堅実に守ってくれる三塁手だ。

　3位は、最初から「遊撃手」と決めていた。上田西・横山聖哉は3位ではムリだとわかっていたが、次にランクしていた山田脩也（仙台育英高）が残っていたのは嬉しい誤算。細身のわりに飛距離が出せる「打」は、中距離打者の資質を秘める。常勝・仙台育英の守りの要として2年間、最少失点に抑えるための「守りの知恵」もきっと増やしてこられただろう。

　4位指名のサウスポー・森田駿哉（Honda鈴鹿）の今の実力は、十分1位クラスだ。1位指名の左腕たちと比べても、なんの遜色もないことは、夏の都市対抗野球、その後の日本選手権予選の投げっぷりを見て、しっかり確認している。

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