この順位になったのは、26歳（満）という年齢やヒジの故障歴を気にして、他球団が指名を手控える……と読んだからだ。

　気迫十分に投げ込む145キロ前後の速球と鋭いタテの変化。ピッチング自体がまだフレッシュだ。スライダー、チェンジアップ、フォークの精度も高く、ズバリ即戦力！

「中央大の隠し玉」が中日の隠し玉になった。

　5位・石田裕太郎（中央大）は、絶対的エース・西舘勇陽（ひとりドラフト・阪神1位）がいたから2番手、3番手だったが、ほかのリーグにいたら、バリバリエースの実力だ。

　この秋、スリークォーターからサイド気味の角度にスタイルチェンジして「特徴」が出た。オールローボールと評してもよいほどの低めの制球。145キロ前後でミットに突き刺さる強烈な速球が魅力だ。

　ロングヒッターは育たない……定説になりつつあるドラゴンズの「負」の部分をこの「大砲候補」に払拭してほしい。そんな願いを込めて、6位に指名した仲田侑仁（沖縄尚学高）。

　雄大な体躯と、バットヘッドに引っかけてもスタンドへ持っていってしまう腕っぷし。打ち方がいい。痛烈なセンター返しもできて、決して力任せのメチャ振りじゃない。重なるのは、伝説の長距離砲・山崎武司。振って、振って、振り込んで。正真正銘の「二世」を目指す。

「将来性含めいちばん力のある投手」…日本ハム「公言」の行方

【日本ハム　2023年ひとりドラフト指名選手】

✕　常廣羽也斗　22歳　投手　青山学院大　180cm73kg　右投右打（楽天、広島との抽選に敗れる）
1位　下村海翔　21歳　投手　青山学院大　174cm75kg　右投右打
2位　度会隆輝　21歳　外野手　ENEOS　183cm83kg  右投左打
3位　堀柊那　18歳　捕手　報徳学園高　179cm79kg  右投右打
4位　辻本倫太郎　22歳　遊撃手　仙台大　168cm73kg  右投右打
5位　津田淳哉　22歳　投手　大阪経済大　178cm83kg  右投右打
6位　青野拓海　18歳　捕手　氷見高　180cm80kg　右投右打

【日本ハム　総評】

「将来性も含めて、いちばん力のある投手」……日本ハムの「公言」は、青山学院大・常廣羽也斗という形で具現化されたが、楽天、広島との競合に敗れ、繰り上げ1位に下村海翔（青山学院大）を指名するまでに、ちょっと時間がかかった。

  繰り上げ1位での指名重複を心配して、検討の時間が必要だったのか。2シーズン連続最下位、左右のエース・加藤貴之、上沢直之両投手にもFA移籍の可能性があり、来季すぐに戦力になってくれる投手を何がなんでも……それは、日本ハムドラフトの「悲願」でもある。人選は慎重になった。

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