第4戦、ソフトバンクは和田が先発し、フリオ・ズレータの2本のホームランで3−2とリードして9回を迎えた。そこで驚くような光景が見られた。千葉ロッテファンの代表団である応援団が、立ち上がって「I BELIEVE」のサインを掲げたのだ。本当に全員が立ち上がっていた。1点差を追う我々はワンアウトで今江敏晃が打席に入った。カウントが3−2となり、今江は次のボールにハーフスイングをすると、球審の判定はボールだった。

判定も話題になったプレーオフ第2ステージ　©Hideki Sugiyama

　王監督が、ここでまた存在感を示してきた。ゆっくりとベンチを出て球審に言葉をかけ、一塁塁審に今江がスイングしていたかどうかを確認するよう求めた。一塁塁審は腕を上げ、今江がスイングをしたことを示した。続くフランコも三振に倒れ、試合は終了した。

　流れが変わったのが感じ取れた。我々はホークスのホーム、王貞治のホームにいるのだと思い知らされ、ボビー・マジックはその力が尽きたように思われた。福岡のファンは狂喜乱舞していた。

第4戦も勝利したソフトバンク。2勝2敗で逆王手をかける格好に　©Hideki Sugiyama

ボビーが試合後の選手を集めて伝えたのは…

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　我が選手たちの目のうつろさは、監督であれば絶対に見たくないものだった。私は選手たちにダッグアウトから離れないよう告げた。ホークスのファンと選手が大騒ぎをしている中、私は全員を集合させて輪を作るように言った。

「どうも、どうも、どうも（私なりのありがとう、ありがとう、ありがとう）」と私は言った。

「私の人生で最高にエキサイティングな時となった。今日負けたことで、我々は第5戦を戦う機会を得た。私が今シーズンずっと楽しみにしてきた試合、誰がパシフィックリーグのチャンピオンになるかを決める試合だ。明日、ここ福岡ドームでこの機会を持てる我々はとてもラッキーだ。私にこの機会を与えてくれて感謝している。みんなも、この瞬間を私と共に楽しむことができる、世界で最もラッキーな人間だと思ってもらいたい」

　私の言葉は、通訳によって伝えられた。いくつかの笑顔が見え、彼らが私についてきていると感じた。その夜、眠れた人がいたかどうかわからない。私は眠れなかった。翌日まで待てなかった。待ちきれない思いでいっぱいだった。

私は本来やってはいけないことをした

　私はセラフィニをマウンドに送った。

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