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「ソフトバンクが勝つはずだった」ボビー・バレンタインがいま明かす、ロッテがプレーオフでホークスを追い詰めるまで「福岡の神々が我々に…」

posted2023/10/15 11:01

 
「ソフトバンクが勝つはずだった」ボビー・バレンタインがいま明かす、ロッテがプレーオフでホークスを追い詰めるまで「福岡の神々が我々に…」<Number Web> photograph by Hideki Sugiyama

2005年パ・リーグ2位から日本一をもぎ取った、千葉ロッテマリーンズの元監督はプレーオフでの戦いぶりをいま、どう振り返るのか

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ボビー・バレンタイン&ピーター・ゴレンボック

ボビー・バレンタイン&ピーター・ゴレンボック"Bobby" Valentine&Peter Golenbock

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Hideki Sugiyama

 2005年、パ・リーグ2位ながらもプレーオフで福岡ソフトバンクホークスを破り、勢いそのままに日本一になった千葉ロッテマリーンズ。当時、指揮を執っていたのがボビー・バレンタインだ。本人の自伝『ボビー・バレンタイン自伝』(和訳版は2023年3月刊)より、ホークスとのプレーオフ第2ステージでの激闘の回顧を抜粋してお届けする――。(全3回の第2回、初回は#1へ)

ボビーが持つホークスへの印象

 我々は84勝49敗でシーズンを終え、王貞治監督率いる福岡ソフトバンクホークスとの差は4.5ゲームだった。 

 チームの指揮を執るのは史上最高のホームランバッターであり、東京の読売ジャイアンツでプレーし通算868本のホームランを放った王貞治監督だった。彼はジャイアンツの監督も務めたが、このときはホークスで指揮官となっていた。ホークスのオーナーは世界で最も裕福な人物のひとり、孫正義で、彼はコミュニケーションネットワークを提供するソフトバンク社の他、世界中に不動産を持っていた。 

スター捕手の里崎が復帰していた

 私は外国人ピッチャー、ダン・セラフィニを第1戦の先発に指名した。ダンはメジャーリーグでチームを転々とし、日本で新たなスタートを切ろうとしていた。私はその機会を与え、彼はそれに応えて良いピッチングを続けていた。2回、カブレラが146キロのカットボールをスタンドに運び、ホークスが1−0のリードを取った。だが4回、センターの定位置を分け合う大塚明がホークスのエース左腕杉内俊哉からヒットを放ち、堀がヒット・エンド・ランでセカンドゴロに倒れる間に二塁へ進み、サブローの右中間を破る二塁打で生還、同点に追いついた。 

 さらに、西武とのシリーズはケガのため欠場していたスター捕手の里崎がこの試合で復帰していて、7回表にホームランを放った。その裏、私が継投策でマウンドに送っていた小野晋吾がカブレラと対戦した。晋吾はシュートが武器だったが、私が望んだ結果にはならず、カブレラは左中間に二塁打を放った。そこから左打者が2人続いたので、私は左のスペシャリスト藤田を投入した。

三塁ベースコーチの西村徳文が、堀を止めていた

 ひとり目はバントで走者を三塁に送った。王貞治監督は代打に右打ちの的場直樹を使い、的場は藤田からタイムリーを放って2−2の同点となった。

【次ページ】 日本中がショックを受けていた

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