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ネイマール報酬506億円+高級車8台を要求?「31歳で年金リーグ」「キャリアは終わった」サウジ移籍にブラジルで猛批判…ジーコらは“意外な見解”
text by
沢田啓明Hiroaki Sawada
photograph byTakuya Sugiyama/JMPA
posted2023/08/27 17:02
サウジアラビアへと渡ったネイマール。エースの決断はフットボール王国ブラジルでは快く思われていないようだ
スポーツ・キャスターのアンドレ・ヒゼッキは「この選択は、彼が世界トップレベルの舞台から撤退したことを意味する」。評論家のマウロ・セザールは「アルヒラルが彼を獲得したのは、フットボーラーとしてだけではない。かの国の広告塔としての役割も期待されている」、ベテラン評論家のジュッカ・キフーリは「数年以上前から、彼の関心はピッチ内ではなくピッチ外へ向かっていた。世界のフットボールの歴史で、才能を最も無駄にした選手だ」と痛烈に批判した。さらに、「絶対君主制国家を牛耳る独裁者たちの汚れたイメージを清めるために買われたのだ。情けない」と嘆く。
一方、国民からは「バルセロナ、さもなくば他の欧州ビッグクラブへ移籍したかったが軒並み断られ、ただただ金のために都落ちした」、「31歳で年金リーグに加わったとは――」、「これで、彼のセレソンでのキャリアは終わった。2026年ワールドカップ(W杯)は、彼抜きで戦うことになる」とこれまた辛辣だ。
ネイマールは、2018年W杯でコンディションが万全ではなかったとはいえ、ダイビングやシミュレーションを繰り返して不発で期待を裏切ったこと、2022年大会でもセレソンを優勝へ導けなかったことが強く批判された。のみならず、まだ新型コロナが蔓延していた時期に大規模なパーティーを開いたり、派手な女性関係で再三、世間を騒がせたり、リオ郊外の別荘に人造湖を建設しようとして環境保護法違反で巨額の罰金を受けたりと、ピッチ外のトラブルが極めて多い。
加えて、プライベートジェット、豪華ヨットなど自身の贅沢極まりない私生活をSNSでこれ見よがしに発信することが不遜、傲慢と受け取られ、以前から多くの人の印象を悪くしていた。このような経緯もあって、今回の移籍は批判の集中砲火を浴びた。
ジーコらは“一定の理解”を示し、エールを送っている
ブラジルでも、今回の移籍に一定の理解を示す人がいないわけではない。その多くは、元選手たちだ。