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ネイマール報酬506億円+高級車8台を要求?「31歳で年金リーグ」「キャリアは終わった」サウジ移籍にブラジルで猛批判…ジーコらは“意外な見解”
posted2023/08/27 17:02
text by
沢田啓明Hiroaki Sawada
photograph by
Takuya Sugiyama/JMPA
欧州屈指のビッグクラブ(パリ・サンジェルマン=PSG、フランス)から、サウジアラビアのアルヒラルへ――。セレソン(ブラジル代表)のエース、ネイマールの電撃移籍は、母国ブラジルのメディアと国民に驚き、失望、悲しみ、さらには怒りといった様々な感情を巻き起こしている。
英国のスポーツ分析会社オプタの世界各国リーグ・ランキングで、フランスは5位、サウジアラビアは36位。同社の世界クラブ・ランキングでは、PSGが19位でアルヒラルは118位。アルヒラルはAFCチャンピオンズリーグで最多の4度の優勝を誇るアジアの強豪だが、世界的な視野からすれば所属リーグとクラブの両方のステータスが大きくステップダウンしているのは否めない。
契約条件は、驚くべきものだ。2年契約で、移籍金は推定1億ユーロ(約158億円)、契約期間中に彼が受け取る報酬の総額は、各種ボーナスを含めて推定3億2000万ユーロ(約506億円)。PSGで手にしていた年俸が4000万ユーロ(約63億円)だから、4倍となる。
豪邸、高級車8台、プライベートジェット…
アルヒラルに要求した(とされる)付帯条件が、これまた凄まじい。部屋数25以上の豪邸、ランボルギーニ、ベンツなどの高級車8台(車種まで指定している)、プライベートジェット、使用人5人の常駐などなど――。これほど多量の物質とサービスを求める理由は、恋人ブルーナさん(彼の子供を妊娠中で、来年初めに出産予定)と一緒に住むほか、両親と妹、さらには個人スタッフ数人が同居したり頻繁に訪れるからだ。
さらに、「自身のSNSでサウジアラビアに関する(肯定的な)ニュースを発信する度に、50万ユーロ(約7900万円)を受け取る」という報道もある(フランスのスポーツサイト「フットメルカート」)。
今月上旬、アルヒラル入りの噂が流れたことがあった。ただし、それは「移籍直後、古巣バルセロナへ貸し出される」という条件付き。バルセロナが財政危機にあり、なおかつファイナンシャル・フェアプレーに抵触する恐れがあることから捻り出されたトリッキーな便法だった。欧州の第一線でまだ十分に活躍できる31歳がサウジアラビアリーグでプレーすることなどありえない、というのが前提だった。しかし、その「ありえないはずのこと」が起きた。
この移籍について、本人は「欧州で多くのタイトルを獲得した後、別の場所で新たな挑戦を始めたいと思った」と説明。さらに「アルヒラルは巨大で、熱心なサポーターが大勢いる。以前から、ここでプレーしたいと思っていた」などと語った。
「金のために都落ち」「31歳で年金リーグ」
これらのコメントを額面通り受け取った母国メディアと国民は、ほとんどいない。