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鎌田大地に独占直撃「ラツィオを選んで良かった瞬間は?」即答した言葉は…「1から新しい学び」戦術家サッリの“見逃しがちな秘伝”を吸収中 

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ミムラユウスケ

ミムラユウスケYusuke Mimura

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posted2023/08/20 11:10

鎌田大地に独占直撃「ラツィオを選んで良かった瞬間は?」即答した言葉は…「1から新しい学び」戦術家サッリの“見逃しがちな秘伝”を吸収中<Number Web> photograph by Insidefoto/AFLO

ラツィオ実戦初戦で幸先よくゴールを奪った鎌田大地。サッリ監督の下で充実した日々を過ごしているようだ

「イタリア語がまだわからないですからね。その分、独学をしている感じです。そのうえで、ピッチに立って、『これは正しいのかな』とか『ここはこういう動きで良さそうだな』と肌感覚で理解している感じです。(加入が)決まるのも想像していたよりも遅れちゃったので、できることはやらないと、と考えているだけですよ。フランクフルトでは(レンタル移籍期間を含めて)6シーズンかけて学んだことがありましたけど、今は新しい国とサッカーに触れて、1から新しい学びがあると感じています」

“独学”の中で釘付けになった選手とは

 本人はそう話すが、“独学”の最中に釘付けになった選手がいる。

 昨シーズンのセリエAで2位に入った原動力である、セルゲイ・ミリンコビッチ=サビッチだ。リーグ戦で9ゴール、8アシストを記録したシーズン終了後に、サウジアラビアのアル・ヒラルへ新天地を求めたセルビア人MFである。彼がラツィオでプレーしていたときの動きは、鎌田にとって勉強になることが多かった。

「セリエAでも有名な選手だったので、もちろん知っていました。だけど、ラツィオの試合を意識して見てみると、ラツィオの中では彼が特別で、どれほど偉大な選手だったのかがわかりました。サッリ監督の下で彼がどう動いていたのか、そのポジション取りとかは特に意識して見ました。

 もちろん彼と僕とではプレースタイルが違っていて、フィジカル的には彼のほうが勝っていると思います。だから僕は、チームに求められている戦術的な部分をやりながら、プラスアルファ自分の良さを出さないといけないと感じています」

 その「プラスアルファ」の例が、前述したラティーナ戦でのゴールシーンに表れていた。FW陣を追い越して、ペナルティエリアに顔を出した鎌田が、後方からの浮き球のパスをボレーで決めた場面だ。

「今はまだ、監督に『こうしろ』とはあまり言われてはいないんですけど、僕自身が意識していたことです。『自分は(自陣ペナルティエリア付近で守備をした後に、相手の)ゴール前にまで顔を出すような、ボックス・トゥ・ボックスで走れる選手を目指す』と鳥栖にいた頃から僕は言っていて。守備でも攻撃でもすべてオールラウンドにできる選手になりたいし、自分が上に行くためにはそれが必要だと考えています。

 何より、そういう選手を目指して、僕は色々と取り組んできた。自分の良さを発揮できる場所が整っているとも言えるし、選手としてまた大きな成長ができるチャンスになるかもしれないですね」

サッリ・ボールに対する手ごたえとは

 そうやってクールに語る鎌田が、サッリ監督の志向する通称『サッリ・ボール』にはすでに手応えを感じている。それはこんな言葉に自然と表れる。

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