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鎌田大地に独占直撃「ラツィオを選んで良かった瞬間は?」即答した言葉は…「1から新しい学び」戦術家サッリの“見逃しがちな秘伝”を吸収中
posted2023/08/20 11:10
text by
ミムラユウスケYusuke Mimura
photograph by
Insidefoto/AFLO
「いやぁ細かいですね……。普段の戦術練習からいろいろな約束事があって、それをたくさん覚えないといけないので」
これは再現性のある攻撃や守備を繰り返すために、攻守の細かいルールを頭にたたき込むことが求められるプロバスケットボール選手の言葉……ではない。ラツィオの期待の新加入選手である、鎌田大地の発言である。
監督が一番大事にしているのは、実は守備
ラツィオの約束事の多さは、チーム戦術の原理原則がしっかりしているから。さらに、そこから派生する細かいルールがいくつもある。実戦は3部所属のラティーナとの親善試合をこなしただけだが、鎌田が4-3-3の右インサイドハーフを任されたこの試合でも、チームメイトから守備の立ち位置について指示を受ける姿があった。
「守備のときも立ち位置とかが全部決まっている。今はまだ、頭のなかで『このときはこうだぞ』という風に考えながらやっています。でも、そういう判断が自然とできるくらいにならないと、ストレスを抱えちゃうかもしれませんし」
チームを率いるマウリツィオ・サッリは、銀行員から、チェルシーやユベントスを率いてタイトルを獲るまで登りつめた希代の戦術家だ。そんな監督のサッカーについて、鎌田はこんな印象を抱いている。
「攻撃的で良いサッカーをする監督というイメージがあると思いますけど……監督が一番大事にしているのは、実は守備の部分なんです。昨シーズンは失点数もかなり少なかったし(*38試合で30失点は王者ナポリの28失点に次いで少ない)、そういう意味でも守備をすごく大事にする監督だと思うんですよね」
加入決定後、ラツィオ戦を10試合近く見ていた
ただ、緻密なサッカーを志向するサッリ監督の練習に参加する日が来るのを、指をくわえて、漫然と待っていたわけではない。実は加入が決まってから、すぐに映像を取り寄せてラツィオ戦を10試合近く見ていたのだ。