「ラツィオはサッリ監督になって1年目で5位になり、2年目の昨シーズンが2位でした。3年目の今シーズン、うちのチームは相当に期待されていますから。まずは、何かしらのタイトルを取れたらと思っていますよ」

“ラツィオを選んで良かった瞬間”を聞かれて即答したこと

　ストレスのたまるホテル暮らしが選手のパフォーマンスが上がらない原因となってしまうことはよくあるが、鎌田にその心配はない。「ものすごく良い家が見つかって、もう住み始めてます。生活に必要な作業は全て終わりました」と鎌田は語る。ラツィオ加入までの苦労を乗り越えたご褒美を得るかのように、落ち着いてサッカーに集中できる環境がすでに整っているのだ。そして何より――。

「ローマという街にあるラツィオを選んで、良かった瞬間はどこにありますか？」

　インタビューの最後にこんな質問をぶつけてみると、鎌田は即答した。

「試合に出る11人全員が上手いってことです。そんなのは、普通ではなかなか言えないことですから」

　鎌田は8月20日、レッチェとのアウェーでの開幕戦でセリエAデビューを飾ると見られている。そして、翌週の27日には、自身がCLでの優勝を目標にかかげるきっかけとなった、2009年の伝説のファイナル（バルセロナ対マンチェスター・ユナイテッド）が行なわれたスタディオ・オリンピコのピッチに立つことになるはずだ。あの聖地を本拠地とするチームの中心選手として。

＜「鎌田大地伝説」、「移籍秘話」編などからつづく＞

#6に続く

鎌田大地「“他の選手と比べて”わかってなかった」激変した27歳“日本代表観”のホンネ「律がそう。建英、薫とかも…もちろん自分もです」