核心にシュートを!BACK NUMBER
鎌田大地に独占直撃「ラツィオを選んで良かった瞬間は?」即答した言葉は…「1から新しい学び」戦術家サッリの“見逃しがちな秘伝”を吸収中
text by
ミムラユウスケYusuke Mimura
photograph byInsidefoto/AFLO
posted2023/08/20 11:10
ラツィオ実戦初戦で幸先よくゴールを奪った鎌田大地。サッリ監督の下で充実した日々を過ごしているようだ
「鳥栖でプロになって以降、これほどまでボールを支配するチームはなかったですから」
もちろん、ボールを保持して相手を押し込んだうえで守備を崩すだけではない。サッリ監督と同じイタリア人であるロベルト・デ・ゼルビが指揮する、ブライトンのような攻撃を披露することもある。
低い位置でボールを回して、相手を自陣低い位置まで引っ張り出しておき、前に出てきた相手DFラインの背後に広がったスペースを一気に突くような攻撃――そのときの形がカウンター時の攻撃に似ているため、「疑似カウンター」と呼ばれる――も繰り出す。そしてその際には、ボールを狩りに来る相手選手との間のスペースでボールを引き出す「レイオフ」により、ゴール方向へと体勢が前向きの選手にボールを落とすなど、相手プレスをかいくぐる“出口”を作ることが求められる。
自分がやってみたいサッカーをやれる喜び
その作業を鎌田は実行している。それは6月の日本代表のペルー戦でも有効だったプレーだ。
「フランクフルト時代にも『4-3-3のインサイドハーフでプレーしてみたい』と言っていましたけど、5バックがメインだったし、トップ下の位置でプレーすることもあった。自分がやってみたいフォーメーションやサッカーでプレーできる機会が、これまでなかなかなかったんです。それがようやく今、攻撃的なスタイルの4-3-3で、インサイドハーフをやれる。それに……」
鎌田はこう続ける。
「自分自身は“中盤の割に点が取れる選手”だというところには自信を持っていますからね」
まずは、何かしらのタイトルを
実際、すでにサッリ監督からはこう言われている。
「お前には○○ゴールを期待しているぞ」
「まぁでも、それが何ゴールなのかを言ってしまうのは良くないのでね。それは、シーズンが終わってから……」
個人的な目標は胸に秘めている。ただ、確実に言えるのはチームとして高い目標を掲げていることだ。