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酒の肴に野球の記録BACK NUMBER
大谷翔平が“大阪桐蔭・藤浪晋太郎からHR”、ダル準優勝は知ってるが…WBC侍の甲子園・アマ経歴は? ヌートバー母校は“殿堂入り打者”輩出してた
text by
広尾晃Kou Hiroo
photograph byNaoya Sanuki
posted2023/08/05 17:00
WBCでアツい戦いを見せた大谷翔平とヌートバー。彼ら侍の高校・アマ時代はどんな感じだった?
〈大勢=翁田大勢(1999.6.29)/巨人〉
中学【硬式】氷上ボーイズ
高校【公立】兵庫県立西脇工業高校
【甲子園出場なし】
関西国際大学
・ドラフト 2021年巨人外れ1位
〈湯浅京己(1999.7.17)/阪神〉
中学【硬式】伊勢志摩ボーイズ
高校【私学】聖光学院高校
【甲子園出場なし】※高校は甲子園出場
富山GRNサンダーバーズ
・ドラフト 2018年阪神6位
〈戸郷翔征(2000.4.4)/巨人〉
中学【軟式】都城市立妻ケ丘中学野球部
高校【私学】聖心ウルスラ学園高校
【甲子園出場1回】
2017年夏2回戦
・ドラフト 2018年巨人6位
21世紀生まれは3人。朗希と宮城、最年少は…
〈宮城大弥(2001.8.25)/オリックス〉
中学【硬式】宜野湾ポニーズ
高校【私学】興南高校
【甲子園出場2回】
2017年夏1回戦、2018年夏2回戦
・ドラフト 2019年オリックス外れ外れ1位
〈佐々木朗希(2001.11.3)/ロッテ〉
中学【軟式】大船渡市立第一中学野球部
高校【公立】岩手県立大船渡高校
【甲子園出場なし】
・ドラフト 2019年4球団競合、ロッテ1位
〈髙橋宏斗(2002.8.9)/中日〉
中学【硬式】豊田シニア
高校【私学】中京大中京高校
【甲子園出場なし】
2020年甲子園交流試合出場
・ドラフト 2020年中日単独1位
エントリーされたものの出場しなかった投手も含めた16人のうち、中学時代硬式野球をしていたのは10人、軟式だったのは6人だった。
高校では私学が12人、公立が4人。甲子園に出場したのは8人、甲子園で優勝を経験したのは龍谷大平安の高橋奎二だけ。2014年春、履正社との決勝戦で高橋は先発するも2回1失点で降板。甲子園優勝投手と言えるかどうかは難しいところだ。
中学硬式、高校私学、甲子園出場のエリートコースはダルビッシュ有、大谷翔平(センバツで大阪桐蔭・藤浪晋太郎から本塁打)、松井裕樹(高2夏に1試合9イニングで最多の22奪三振)、伊藤大海、山﨑颯一郎、宮城大弥の6人。なお高橋宏斗はセンバツ出場が決まっていたものの、コロナ禍によって大会が中止になった。対照的に中学軟式、公立高校、甲子園出場なしのノンエリートコースは今永昇太、宇田川優希、佐々木朗希の3人だ。
近年は“あえて軟式野球”を選ぶ投手も多い
中学硬式は注目されるので強豪校に進む可能性も高くなる。「甲子園の近道」ではあるが、投球過多、登板過多でOCD(離断性骨軟骨炎)などの障害を負う恐れもある。それを考えて、近年は、あえて軟式野球に進む少年もいる。ただ世間から注目されるのが遅れる分、ドラフトにかかるのも遅くなりプロデビューが遅くなる傾向にある。
山﨑颯一郎、山本由伸、宇田川優希は、同じ1998年生まれでオリックスに入団。山﨑と山本は同じ2016年のドラフトだが、甲子園に出た山﨑が6位、出なかった山本が4位、スカウトの評価は入団の時点で山本の方が高かったのだ。一方で宇田川は高校時代は全く無名で大学を経て山﨑、山本から4年遅れて育成で入団した。
佐々木朗希は岩手県立大船渡高校時代すでに160km/hの速球を投げ注目されたが、國保陽平監督は佐々木の身体が未熟で故障の恐れがあると夏の県大会決勝で投げさせなかった。甲子園には行けなかったものの、プロの評価は高く、4球団競合の上でロッテに入団した。
甲子園に出ていない高校生に4球団がドラ1の評価をするのは異例のことだったが、佐々木は國保監督と同じ筑波大学で学んだ吉井理人コーチ(現ロッテ監督)の下で大切に育成され、今やリーグ屈指の剛腕投手になった。こうした「未来を見据えた」育成が今後主流になっていくのではないか。
続いて、野手陣を見ていこう。