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大谷翔平が“大阪桐蔭・藤浪晋太郎からHR”、ダル準優勝は知ってるが…WBC侍の甲子園・アマ経歴は? ヌートバー母校は“殿堂入り打者”輩出してた 

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広尾晃

広尾晃Kou Hiroo

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posted2023/08/05 17:00

大谷翔平が“大阪桐蔭・藤浪晋太郎からHR”、ダル準優勝は知ってるが…WBC侍の甲子園・アマ経歴は? ヌートバー母校は“殿堂入り打者”輩出してた<Number Web> photograph by Naoya Sanuki

WBCでアツい戦いを見せた大谷翔平とヌートバー。彼ら侍の高校・アマ時代はどんな感じだった?

 いわゆるエリートコースの選手が投手より多い。投手の場合、中学、高校で肘肩を酷使して以後、伸び悩むケースが見られるが、野手の場合はそれほどでもないようだ。ただ、それでも肘や腰などに既往症を抱える恐れがある。「目先の勝利」ではなく「将来」を考えた指導者の下で野球をすべきだろう。

 野手で中学硬式、高校私学、甲子園出場のエリートコースは山田哲人、中野拓夢、岡本和真、村上宗隆、吉田正尚の5人である。対照的に中学軟式、公立高校、甲子園出場なしのノンエリートコースは山川穂高だけだった。

ヌートバー母校は“殿堂入り打者”を輩出していた

 最後に、ラーズ・ヌートバー(1997.9.8)も紹介しよう。

 カリフォルニア州生まれ、地元のエルセグンド高校で本格的に野球を始める。この高校は殿堂入り大打者のジョージ・ブレットなどを輩出している。ただアメリカの高校には甲子園のような全国規模の大きな大会はない。

 ヌートバーの曽祖父ハーバートは全米穀物飼料協会の会長をつとめた大物実業家で、南カリフォルニア大野球部に施設を寄付したが、ヌートバーはこの大学で野球をする傍らアメリカン・フットボールで活躍した。両競技で注目されたが、少年時代、田中将大、斎藤佑樹ら高校全日本選抜の選手がホームステイして以来、日本野球への憧れがあり、野球を選択した。そして2018年ドラフト8巡目でカージナルスに入団している。ちなみに曽祖父ハーバートは恐ろしく長命で、ひ孫のラーズが大学に入った2016年に108歳で逝去している。

 今後はヌートバーのように――侍ジャパンに、アメリカなど外国で野球をしていた選手が加わるケースも増えるかもしれない。

 侍戦士のキャリアを子細に見るとエリートコースを順調に歩んだ選手だけでなく、紆余曲折を経て代表入りした選手も散見される。親、指導者は「才能の先食い」をしないように気を付けるとともに、身体が小さくて目立たない子供であっても、その資質を見極める必要があるだろう。

 3年後の次回WBC、そしてその次のWBCで侍ジャパンのユニフォームを着ることを夢見て、球児たちは励んでほしい。

#2「甲子園番付」編につづく>

#2に続く
《夏の甲子園番付2023》大阪桐蔭など名門校敗退、休部PLは“関脇陥落”、大関チャンス仙台育英…慶応など“新潮流リーグ勢”も注目!

記事内で紹介できなかった写真が多数ございます。こちらよりぜひご覧ください。

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