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酒の肴に野球の記録BACK NUMBER
《夏の甲子園番付2023》大阪桐蔭など名門校敗退、休部PLは“関脇陥落”、大関チャンス仙台育英…慶応など“新潮流リーグ勢”も注目!
posted2023/08/05 17:01
text by
広尾晃Kou Hiroo
photograph by
Hideki Sugiyama/Kou Hiroo
第105回全国高等学校野球選手権記念大会出場49校が出そろった。恒例、甲子園番付を今年も作成した。
「選手権大会」いわゆる「夏の甲子園」の勝利数の順番でランキングした番付だ。愛知県(中部北陸地方)以東を「東」、以西を「西」とした。
PLが徐々に…仙台育英は“大関昇進”のチャンス
東西の横綱大関、中京大中京(愛知)、龍谷大平安(京都)、松山商(愛媛)、早稲田実(東京)に変動はなかったが、現在休部中のPL学園(大阪)が西の関脇から小結に落ちた。ともに48勝で並んでいた天理(奈良)が昨年夏に1勝したからだ。
PL学園は「休部」ということになっている。OBの桑田真澄氏などが再興に奔走しているが、その兆しはないようだ。PL学園出身の現役選手はMLBツインズの前田健太、オリックス中川圭太の2人だけ。ともに活躍しているが、PL学園の歴史はもうすぐ「過去」のものになろうとしている。
この番付の難しいところは、いくら番付上位にいても「今夏の大会に出場しなければ、上に上がることができない」こと。番付東方では、今大会に出場している関脇の仙台育英は、あと3勝すれば早稲田実に取って代わって大関に“昇進”する。
大阪桐蔭はライバル履正社に、明徳義塾は…
番付西方では今季、府県大会で大きな衝撃があった。前頭2枚目の智弁和歌山(和歌山)、同3枚目の大阪桐蔭(大阪)、同5枚目の明徳義塾(高知)と近年「甲子園に出場して当たり前」と言われた常連校が軒並み敗退した。3校ともに優勝経験があり、甲子園に出れば「優勝候補」との下馬評になる有力校だ。
筆者は今春、智弁和歌山の取材をしたが、監督、選手ともに心身ともに充実しているように見えた。しかし和歌山県大会の初戦である7月15日の2回戦で高野山と当たり、2-0から7回に3点を奪われて逆転負けを喫する、衝撃的な内容だった。
大阪桐蔭は大阪府大会の2回戦から6試合を順調に勝ち上がったが、決勝で、ライバルとして多年好勝負を演じてきた履正社に0-3で完敗。この試合、安打は3本だけだった。
また明徳義塾は、1982年春の初出場以来春20回、夏22回の出場を誇る。夏は2013年以来の10大会で8回の出場。「指定席」と言っても良かったが、高知県大会では3戦目の準決勝で新興の高知中央にタイブレークの果てに1-2で敗れた。