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監督選抜はどう決める?「大谷VS藤浪」など注目対決の演出は…真中満が明かすオールスター監督のリアル「早く代えて、と目で訴えられたり」
text by
佐藤春佳Haruka Sato
photograph byJIJI PRESS
posted2023/07/19 17:00
普段は見られない対戦が実現するのも球宴の醍醐味だ。写真は2014年、全パの大谷(左)と全セの藤浪
ご当地選手にも気を配る
「全員を上手く使うというのは考えてやっていました。あとは、オールスターが開催される球場を本拠地にしていたり、出身だったりする“ご当地選手”も気にかけていましたね。俺の場合は二軍監督時代、連戦の中で多くの選手に出場機会を与えるために調整していた経験があったので、あまり苦労せずにできたかな」
2016年は第1戦が福岡のヤフオクドーム(当時)、第2戦は横浜スタジアムでの開催だった。第2戦では、当時DeNAの主砲だった筒香嘉智が4番に座り、石田健太と戸柱恭孝の先発バッテリーを起用。さらに井納翔一が2イニングリリーフし、守護神・山﨑康晃が“ヤスアキジャンプ”に迎えられて最終回に登板するなどの盛り上がりを“演出”した。
野手の交代には、MVP争いも頭に入れて気を利かせることもある。
「活躍していたら、MVPあるからもう少し出ろよ、という話もしながらね。ただ、みんなオールスターはそこまで長く試合に出たくなさそうだとは感じました。俺の顔を見ると『早く代えてください』って目で訴えたりしてね。坂本(勇人)や新井(貴浩)なんかはよく目が合ったよ(笑)」
ブルペン待機は自チームの選手に依頼
投手の起用で気を使うのは有事に備えたブルペン待機だ。オールスターに延長戦はなく、投手リレーはある程度事前に決めてあるが、緊急事態に備えてリリーフできる投手を1人、準備させておく必要がある。この年の第1戦では、3点リードの9回に登板した広島の中崎翔太が栗山巧(西武)に2ランを浴びて1点差に。辛うじて逃げ切ったものの、念の為にヤクルトの秋吉亮がブルペン待機していた。
「8回、9回は試合展開がややこしくなることもある。言いやすい自分のチームの選手や、年齢が若いピッチャーに一応声をかけておいて、緊急事態の時に用意をしておいてもらったりするよね」