「○○は外してください」の依頼も

　真中氏が監督を務めた2016年には、広島の左腕、クリス・ジョンソンが監督選抜での出場の打診を断っている。前半戦だけで8勝を挙げ首位を快走するカープの原動力となっていたが、「体調が優れないため、参加が難しい」との理由で固辞。実際にはジョンソンはオールスター2日後の後半戦開幕の第1戦に先発している。

「ぶっちゃけ（選出に）難色を示されることはあります。特にピッチャーは後半戦スタートのカードになげさせたい、などの事情があって、選ぶのは2人までにしてほしいとか、○○は外してくださいとかお願いされることもある。ただ、そこはお互い様という部分があるので、各球団とも相談しながらの選出になります」

ヤクルト監督当時の真中満氏　©︎Hideki Sugiyama

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　監督選抜でセレクトした選手にNGが出たり、ファン投票で選出された選手が怪我などで辞退した場合、その補充には融通が利く自軍の選手を選ぶこともある。実際に今年のオールスターでは、捕手部門のファン投票1位で選出されたオリックスの森友哉の辞退に伴い、中嶋聡監督は同じオリックスの若月健矢を指名している。

「予定していた選手が出られなくなった時、ワンクッション置いて誘うのは失礼という部分もある。まずは同じチームに相応の選手がいたら出してもらうとか、自分のチームでこの辺までなら選んでも問題ないかなと思ったら出す、ということはあると思います」

怪我で辞退した森友哉（中央）に代わり若月（右）が出場する　©︎Hideki Sugiyama

　そうして出揃った選手たちの顔ぶれから、先発や起用法を決めるのはオールスター監督の最も大事な仕事だ。まず、投手に関しては調整をしやすいようにあらかじめ登板するタイミングを決めて伝えておく。野手はファン投票で選ばれた選手は2試合とも出場させる必要があるため、その点をクリアしつつ、ほかの選手たちにも見せ場が出来るよう、ある程度交代のタイミングを決めておくという。

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