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監督選抜はどう決める?「大谷VS藤浪」など注目対決の演出は…真中満が明かすオールスター監督のリアル「早く代えて、と目で訴えられたり」
posted2023/07/19 17:00
text by
佐藤春佳Haruka Sato
photograph by
JIJI PRESS
プロ野球は前半戦の戦いを終え、7月19、20日には第72回目を迎えるオールスターゲームが行われる。知っているようで知らない夢の球宴の裏側、「オールスター監督」はどんな仕事をするのか。リーグを代表するスター選手を起用するが故の苦労とは? 2016年に当時ヤクルト監督として全セ・リーグの指揮をとった真中満氏(野球解説者)に聞いた。
一堂に会するスター選手たちに比べると少し地味な「オールスター監督」。その任務には実に細かい調整力が必要とされる。基本的に前年度の各リーグ優勝監督がつとめ、同じく前年度2位、3位のチームの監督がコーチとしてベンチ入りするが、実際には監督とコーチが連携して采配をふるう場面はほとんどない。選手の選出から起用、交代などは全て監督に任せられていると言っていい。
監督選抜はどう選ぶ?
オールスターの監督としての仕事が始まるのは、球宴本番の約3週間前だ。ファン投票と選手間投票による出場選手が出揃った後から、「監督選抜」の選手をセレクトする作業が始まる。
「基本的には前半戦の成績を見ながらポジション別にピックアップしていくんだけど、なるべく同じ球団に選出が偏らないように、というバランスには気を使いました。まずはマネージャーを通じて所属先の監督に連絡を取って、“選んでもいいか”という確認を取ります。個人的な事情やチーム事情で無理だ、と断られることもあるので、そうなるともう一度考え直して選ぶ、ということを繰り返していきます」