- #1
- #2
欧州サッカーPRESSBACK NUMBER
久保建英22歳「今季が最後のチャンス」マドリーとバルサ撃破、子供が日本語で「ありがとう」…カメラマンが撮った“珠玉のタケ写真”
text by
中島大介Daisuke Nakashima
photograph byDaisuke Nakashima
posted2023/06/26 11:01
ラ・リーガ2022-23シーズン終盤戦に入って、久保建英の活躍ぶりは目を見張るものだった
続く第37節、アウェイでのアトレティコ・マドリー戦、終了の笛がなると、1-2で負けたソシエダの面々が喜びを爆発させた。同時刻開催されていた、CL争い直接の宿敵ビジャレアルの敗戦の一報とともに、ソシエダの4位が確定した瞬間だった。
ホームで迎えたリーガ最終節は、6月4日、久保の22歳の誕生日でもあった。直前にEL優勝を飾ったセビージャと対戦、2-1の勝利で有終の美を飾った。
この日の久保のパフォーマンスは、シーズンの集大成と言えるようなものだった。サイドでボールを受けると、60メートル超のドリブル、またはトラップひとつで相手をかわすなどキレのある動きを見せた。またカットインから積極的にシュートを狙い、前線からの積極的なプレスでも相手を苦しめた。残念ながら自身のゴール数を10に伸ばすことはできなかったが、大きな歓声を受けてピッチを後にした。
CL出場権争いが本格化したシーズン最終盤、得点感覚を研ぎ澄ました久保のゴールはチームを助けた。
久保がゴールを決めた9試合全てで勝利を収めている。怪我人が続出し、ビッグクラブではないが故の選手層の薄さにチームが苦しむ中、試合毎に、シーズンベストゲームを更新するかのような奮闘ぶりが多くの現地サポーターの心を掴んでいくのが分かった。
アトレティコ戦後、相手監督のシメオネが「今、久保は非常に好調な時を迎え、ソシエダの中で最も決定的な選手であり、久保を無効化する必要があった」とコメントを残しているほど。
久保が活躍すればするほどに相手チームはその対策を行なってきていた。もちろん苦しむ試合もあったが、単独で、またチームとして乗り越えていく姿を撮影することができた。
久保に対する期待は極限まで高まっている
久保は、9ゴール4アシストという結果以上のインパクトを残した。
新加入1年目ということを考えれば、これ以上ないシーズンを過ごした久保だが、来季はリーガに加え、ヨーロッパ最高峰チャンピオンズリーグの戦いも待っている。サポーターの期待も極限まで高まっており、その期待以上の結果も問われるシーズンとなるだろうか。2桁ゴールは最低ライン、今季のインパクトからいけば、「ゴール、アシストの合計値15」超えを期待したい。
また久保とブライスが同時出場している際には、基本的にFKはブライスが担当しているが――先日の日本代表戦でのアシストのごとく、FKからのアシストを増やす姿も容易に想像できる。
来季の撮影が楽しみだが、ひとまずゆっくりオフシーズンを過ごしてもらいたい。<#1「前半戦編」からつづく>
記事内で紹介できなかった写真が多数ございます。こちらよりぜひご覧ください。