「クボの献身に仲間、ファンも徐々に心を」ソシエダサポが選ぶMVP久保建英…愛された1年目を“2000枚超撮影”カメラマンが見た名シーン

　9ゴール4アシスト。ラ・リーガ2022-23シーズンにおける久保建英が残した数字だ。

　今季よりレアル・ソシエダに加入した久保は、過去3シーズンにおける自身のゴール記録を伸ばしただけでなく、乾貴士が持っていたリーガ日本人最多得点記録だった「5」も大幅に更新した。この数字からだけでも、一定以上の評価がされるものだった。

　さらにサポーター投票でのチーム年間最優秀選手に選出されている。

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レバンドフスキ、グリーズマンを抑えて最多MOM

　ただ、その数字以上のインパクトを久保に感じたファンは、ソシエダサポーターだけではなかったはず。事実、久保は、9度MOM（マンオブザマッチ）に選ばれており、優勝したバルサのエース、レバンドフスキ（23ゴール8アシスト）、アトレティコ・マドリーのグリーズマン（15ゴール16アシスト）の7回を抑え、リーグ最多選出回数となった。逆を言えば、今季の久保のプレーを間近で撮影してきた者からすると、むしろ残した数字に物足りない錯覚を感じてしまうほどの充実ぶりだった。

　とはいえ、レバンドフスキ、グリーズマンの残す数字は、ともに突出したもので、ゴール、アシストのトータルが30を超えているのはこの2選手のみ。この2名を抑えての最多MOM選出の凄みが増す。

　シーズン終了後、各媒体などが発表したリーガ年間ベストイレブンにも軒並み選出されており、“選手の格”という意味で、大きな飛躍を遂げたシーズンだったと言えるが、1年前、ここまでの飛躍を予想することは簡単ではなかった。

　シーズン半ば、2023年1月に行われたバスクダービー、対ビルバオ戦後に発した久保の言葉は印象に残るものだった。

「プレシーズン、今季がサッカー選手として飛躍する最後のチャンスかもしれないと感じていた」

　当時21歳の選手がここまでの覚悟を抱えて戦っていることが窺い知れた。

バスクダービーで文字通りサポーターのヒーローとなった

プレシーズンマッチで見えた“期待と注目度”

　昨夏のオフシーズン、過熱する移籍報道の裏で久保は、レアル・マドリーという世界的ビッグクラブに籍を置いたまま、レギュラー争いを行うのか、レンタル移籍で出場機会を求めるのか、はたまた、完全移籍によりマドリーから出ていくのか――大きな決断を迫られていたわけだ。

　そして下された決断は、ソシエダ入団会見という形で人々は知ることとなった。

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