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久保建英22歳「今季が最後のチャンス」マドリーとバルサ撃破、子供が日本語で「ありがとう」…カメラマンが撮った“珠玉のタケ写真” 

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中島大介

中島大介Daisuke Nakashima

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photograph byDaisuke Nakashima

posted2023/06/26 11:01

久保建英22歳「今季が最後のチャンス」マドリーとバルサ撃破、子供が日本語で「ありがとう」…カメラマンが撮った“珠玉のタケ写真”<Number Web> photograph by Daisuke Nakashima

ラ・リーガ2022-23シーズン終盤戦に入って、久保建英の活躍ぶりは目を見張るものだった

 そして第26節エルチェ戦では、そのシルバからのパスに反応した久保が左足で流し込み、今季5ゴール目を奪った。さらにホームでの第28節ヘタフェ戦、この試合でMOMに選ばれたのはまたしても久保だった。守備面も含めたチームへの献身に加え、日本人記録となる6ゴール目をマーク。得点感覚にも凄みが増してきたように感じられた。

 チーム全体を見ても、ホームでは再び勝利を確保できるようになってきた。それはアットホームかつ熱狂的にチームを後押しし続けたサポーターの影響も大きかった。

スタジアムに目立ち始めた日本語メッセージ

 この頃、現地サポーターから聞いた「勝っていても、負けてる時もチームを応援するよ」という言葉が印象に残る。そんなサポーターからも久保の人気は絶大で、スタジアムには「あなたのTシャツ(※ユニフォームのこと)を私にくれませんか?」「ありがとう」など、日本語で書かれたメッセージを目にする機会が増えていた。

 ホームでの第30節ラージョ戦、5試合ぶりのベンチからのスタートとなった久保だったが、途中出場すると軽快なプレーを披露した。右サイドでパスを受けると、ダイレクトでボールを蹴り上げるようなトラップで相手を交わして攻撃を加速し、チーム2点目の起点となった。そして32節アウェイでのオサスナ戦。中2日での試合ということもあり久保は途中出場となった。終了間際、パスを受けた久保に詰め寄るDFの股下を抜く鋭いシュートでチームの勝利を決定づけ、アウェイでの無得点での連敗を止めるとともに、CL出場権争いに弾みをつける勝利となった。

マドリー相手の殊勲弾→2アシスト→バルサにも勝利

 ソシエダは徐々にCLへのルートが見え始める。一方で残り6試合、上位陣との対戦が続いた。つまり、毎試合が決戦という厳しい日程が残っていた。

 第33節、ホームに迎えたのはレアル・マドリー。ソシエダが勢いに乗って前半を支配すると――後半開始直後、相手のミスをついた久保が先制点を奪った。2試合連続、そしてCL出場を近づけるゴールに、スタジアムは大いに沸く。何度も何度も〈Take Kubo〉の名がコールされたのが印象的だった。

 マドリー相手の勝利は大きかったはずだが、続くホームでの対ジローナ戦でソシエダは引き分けてしまう。キックオフ早々、久保が獲得したPKで先制、さらには久保のクロスにシルバが飛び込みリードを広げた。しかし前半のうちに追いつかれると、反撃実らず痛恨のドロー決着だった。2得点に絡んだ久保も、終了とともに肩をガックリと落とした。

 第35節アウェイでのバルサ戦、久保はベンチからのスタートとなった。采配としては、中2日で迎える格下との次節を確実にモノにするための温存だったか。ただソシエダは、先制点を奪うことに成功。終始バルサの猛攻にさらされたが、試合終盤には、久保も絡んだカウンターから追加点をあげ勝利に貢献した。

 第36節アルメリア戦では、監督の期待に応えるように――前半終了間際に久保が先制となる決勝ゴールを決める。スピードに乗ったまま小刻みなタッチでボックス内に進入する。相対したDFをシュートフェイントで倒すと、ファーサイドへ弧を描く弾丸シュートを蹴り込んだ。今季9ゴール目となる久保のゴールをソシエダは守り切り、CL出場権獲得へまた一歩近づいた。

【次ページ】 久保に対する期待は極限まで高まっている

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