4年間見てきた齊藤監督も「プロのトレーニング、指導、食事があれば155キロは出ると思います」と将来性に太鼓判を押す。古謝自身も「1年でも長く野球の世界で活躍を続けたいです。（小倉の指導を受けた）成瀬さんや涌井さんのような勝てる投手に、そのためにも自分に負けないことを大切にしていきたいです」と力強く理想の投手像を語った。その落ち着いた口調は、誠実な姿勢ゆえの着実な成長を物語る。

練習後、笑顔で写真撮影に応じた古謝樹投手（桐蔭横浜大）　©︎Yu Takagi

　今年のドラフト戦線には、有望な大学生左腕が多い。あるスカウトは「細野晴希（東洋大）、武内夏暉（国学院大）、尾﨑完太（法政大）、古謝の4人の中で秋にかけて誰が出てくるか楽しみです」と今後を占った。彼らと一緒に参加する侍ジャパン大学代表選考合宿（6月17〜19日）で古謝はどんな躍動を見せるのか。

　一歩ずつスターダムを駆け上がる左腕に大きな夢を抱いた者は、この春きっと増えたことだろう。

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