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日本のホームランバッターはメジャーで通用するのか…私が見た松井秀喜“50→16本”の真実「納得はしてないですけど…」「自分を変えていく」 

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水次祥子

水次祥子Shoko Mizutsugi

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posted2023/06/02 11:02

日本のホームランバッターはメジャーで通用するのか…私が見た松井秀喜“50→16本”の真実「納得はしてないですけど…」「自分を変えていく」<Number Web> photograph by Getty Images

20年前、アメリカ屈指の名門球団、ニューヨーク・ヤンキースに松井秀喜が入団した。ゴジラが挑んだメジャー1年目を振り返る

 だが1年目のシーズンを終えた松井の表情は、“ゴロキング”と揶揄されたシーズン序盤とは違い、晴れていた。ゴジラのイメージと自分自身の現状の間にあるギャップと向き合った上で、自分の中で折り合いをつけているように見えた。シーズン後、松井はこうも語った。

「日本にいる姿のままでいるのは難しいというのは思っていた。納得はしていないですけど、しょうがない。自分の現状のままの力でやるということ。慣れていくこと、覚えていくこと、自分自身を変えていくこと、必要だと思う」

6年後、ワールドシリーズで…

 シーズン16本は2003年のア・リーグでは50位タイ、ルーキーではリーグ5位だった。期待された数字ではなかったかもしれないが、あのシーズンの1年目の選手としては十分な数字といえる。そしてその価値は、誰よりも松井自身が理解しているように思えた。

「ホームランを欲しがった時期、そういうのはなかったです。同じ精神状態を保ちながら、できたと思います」

 批判や周囲の期待というプレッシャーを乗り越えた松井は、そう言ってシーズンを締めくくった。

 これが、のちにワールドシリーズ、メジャー最高の舞台でMVPを獲得する男の1年目だった。今振り返ると、実に精神的にタフな、強い選手だった。

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オーナーが松井秀喜に口撃「契約したのはこんな選手ではない」ホームランが“消えた”20年前…日本最強バッターが直面“称賛からの猛批判”

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