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「ミトマのドリブルにクボの技術、トミヤスの賢さを楽しんでる」JリーグMVP男ペレイラ63歳は今、何を?「ブラジルで日本の学びを…」
text by
沢田啓明Hiroaki Sawada
photograph byHiroaki Sawada
posted2023/05/20 11:02
1994年のMVPトロフィー、1993年と1994年のベストイレブン賞とともに写真に収まってくれたペレイラ
「体が動く限り、続けたい」
――今月15日、Jリーグは創設30周年を迎えました。どのような感慨がありますか?
「1リーグ10クラブで始まったJリーグが素晴らしい発展を遂げ、今は3部まであって、クラブの数が60まで増えてるんだって?
W杯に一度も出場していなかった日本代表が今ではW杯の常連となり、2大会連続でベスト16入りしている。日本のフットボールは素晴らしい成長を遂げており、自分がJリーグの最初の数年間に関われたことをとても誇りに思っている」
ミトマ、クボ、ドーアン…楽しませてもらっている
――日本へ渡ったときすでに32歳でしたが、日本でキャリアのピークを迎えたのでしょうか?
「間違いない。30歳を過ぎていたけどコンディションがとても良く、ブラジルの強豪クラブで活躍していて、自分のプレーに自信を持っていた。そして、日本での生活とプレースタイルに馴染み、良いプレーができて、チームも好成績をあげることができた。日本で過ごした6年半は、私のキャリアと人生においてかけがえのない素晴らしい時間だった」
――最近、日本のフットボールの試合を見ることがありますか?
「Jリーグの試合はブラジルでは中継がないから見れないが、インターネットで情報を得ている。日本代表は、試合のテレビ中継があれば必ず見て、いつも応援している。
欧州リーグの試合はテレビ中継が多いので、ミトマ(三笘薫)のドリブル、クボ(久保建英)のテクニック、カマダ(鎌田大地)の創造性、ドーアン(堂安律)の勝負強さ、トミヤス(冨安健洋)のクレバーな守備と攻撃参加などを見て楽しませてもらっている。
去年のワールドカップ(W杯)でも、日本代表の試合はすべて見た。チームとしてまとまりがあったし、選手たちの戦術的な理解度の高さと優れた判断力はかつての日本代表にはなかったもの。モリヤス(森保一)監督のマネージメントが素晴らしかったし、ヨシダ(吉田麻也)のキャプテンシーも見事だった」
僕にとってのJリーグMVPはやっぱりカズだ
――Jリーグ創設当時、日本は韓国になかなか勝てませんでしたが、近年は立場が逆転しつつあります。
「その通り。去年のW杯では両国が揃ってベスト16入りしたわけだが、試合内容は日本の方がはるかに良かった。今は日本がアジア最強だね」
――ヴェルディであなたと一緒にプレーしたカズは、56歳の今もまだ現役を続けています(注:ポルトガル2部のオリヴェイレンセ)。