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「ミトマのドリブルにクボの技術、トミヤスの賢さを楽しんでる」JリーグMVP男ペレイラ63歳は今、何を?「ブラジルで日本の学びを…」
text by
沢田啓明Hiroaki Sawada
photograph byHiroaki Sawada
posted2023/05/20 11:02
1994年のMVPトロフィー、1993年と1994年のベストイレブン賞とともに写真に収まってくれたペレイラ
「知ってるよ。考えられない。スーパーマンだね」
――Jリーグ初代チェアマンの川淵三郎は、「Jリーグ30年のMVPはカズだ」と言っています。
「同感だ。カズほどJリーグの発展に寄与した選手はいないと思う」
日本で注いでくれた愛情に深くお礼したい
――日本のフットボール関係者とファンの多くが、今でもあなたのことを覚えています。彼らへのメッセージを。
「日本では、皆さんのサポートのお陰で素晴らしい日々を過ごすことができました。ファンの皆さんからは、いつも温かく応援してもらって、本当に嬉しかった。皆さんが日本で僕と僕の家族に注いでくれた愛情に対して、深くお礼申し上げます。
今後、日本のフットボールが益々発展し、いずれW杯で優勝することを願っています」
◇ ◇ ◇
ペレイラは、サンパウロ近郊の落ち着いた町で、子供たちに嬉々としてフットボールを教えながら、元気に毎日を過ごしていた。
ブラジルの小さな町で生まれ育ち、18歳で初めてプロクラブの門を叩いた男が、プロ選手としてブラジルで12年半、日本で6年半、計19年間のキャリアを過ごし、その後も常にフットボールに関わっている。家族にも恵まれている。
「多少の紆余曲折はあっても、これほど幸せな人生を歩んでいる人はなかなかいないのではないか」と思いながら、帰途についた。<#1、#2からつづく>