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20歳の山下舜平大が初勝利 オリックスに次々と好投手が育つのはナゼ? 福良GMが明かした目利きのコツと「由伸の“次の次”」
text by
鷲田康Yasushi Washida
photograph bySANKEI SHIMBUN
posted2023/04/15 11:00
開幕戦の好投に続き、今季2戦目でプロ初勝利をマークしたオリックス山下舜平大
山下の2年目は故障で登板はわずかに8試合に止まったが、9月に二軍戦で復帰するとクライマックスシリーズのファイナルステージと日本シリーズの4、5戦ではベンチ入りさせて、今年への準備をさせてきた。
全ては次の次への布石だった訳である。
常勝軍団へ、カギを握る年齢構成
福良GMが就任した19年からチームは2年連続で最下位に沈んでいる。ただ、そこで弱点となるポジションに即戦力を求めて場当たり的な補強することはしなかった。その代わりにチームを根本的に支えられる高校生、大学生の“強い選手”を求めて獲得し、とにかく実戦の中で鍛え上げてきた。
その結果がチーム成績6位、6位からの1位、1位へと結びついていくのである。
「育成ばかりでなくて、層を厚くしていかないとダメなんですよ」
昨オフには吉田がメジャー移籍を果たし、このオフには山本の移籍も有力視される。そんなチーム状況の中で、福良GMはその先をも見越したチームを編成しなければならないと強調する。
「だから年齢構成が大事ですね。ポジション別に並べて、この年齢がやっぱ薄いとか、そういうのはありますからね。ここには30歳ぐらいの選手がいて、まあ中堅ぐらいのやつはいるけど18、19歳の選手がいないからダメだとか。ポジション別に年齢のバランスを考えて選手を獲っていかないとキツいかなって思います。低迷しているときも、そういう方針をいまの(湊通夫)社長が理解して我慢してくれた。(中嶋聡)監督も『じゃあこれいこう』って、すぐに使ってくれるというのもある。そういう球団全体の方向性の一致が、一番大きいんじゃないですかね」
6位、6位の低迷から球団が一丸となって目の前ではなく、次の次を見据えて雌伏してきた結果だったのである。
だから山下の快投は……福良GMにとっては必然だったはずである。
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