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「6番大谷翔平も面白い」鈴木誠也が辞退…WBC打線とローテはどう組む? 山崎武司が挙げるキーマン「ダルビッシュはイチローのように」
text by
間淳Jun Aida
photograph byNanae Suzuki/JIJI PRESS
posted2023/03/03 06:00
大谷翔平が合流間近の一方で鈴木誠也が出場辞退……現状を受けてどんな打順、先発ローテがベターか、山崎武司氏に聞いてみた
そして、第2回大会でチームの支柱となったイチローさんと重ね合わせ「あの時にイチローが果たした役割を今回はダルビッシュが担うはず。重い空気や悪い流れを断ち切れる力がありますから」と話した。
先発投手の顔ぶれは、大谷が投手と野手、どちらに比重を置くのかで変わってくる。ただ、山崎さんはダルビッシュ、オリックス山本由伸、DeNA今永昇太を中心にして「大谷という選択肢があるくらいで臨むのが良いのではないか」と指摘する。
エンゼルスで先発ローテーションの一角を担う大谷はシーズン中、中5、6日空けてマウンドに立っている。だが、WBCは日程的に中4日で登板する可能性が高く、球数制限もある。奪三振率が高く、球数が多くなりがちな大谷がシーズンと同じように活躍できるのか、やや不安が残る。加えて、大谷には打者としての任務もある。
今回あまり騒がれてないキューバだがリリーフ陣は万全
韓国の他にも、1次ラウンドを突破すれば米国、ドミニカ共和国、プエルトリコなど強敵が待っている。その中で、山崎さんは警戒が必要なチームにキューバを挙げる。終盤を任される投手陣は豪華なメンバーが並んでいる。中日からは昨シーズン、防御率0点台でセーブ王に輝いたR・マルティネスと、防御率1.15でリーグトップタイの45ホールドポイントを記録したロドリゲス。さらに、ソフトバンクの守護神モイネロも名を連ねる。
打者は元ソフトバンク・デスパイネとグラシアルが、日本の野球を熟知している。山崎さんは「キューバは今回あまり騒がれていませんが、後ろの投手は万全です。打線はある程度計算できるチームで、得点力はあります。日本が対戦するのであれば、前半でリードを奪わないと厳しい戦いになってしまいます」と分析する。
「世界一へのハードルは明らかに高くなっています」
日本は第1、2回大会でWBCを連覇してから、2大会連続で決勝にも進めていない。大谷やダルビッシュが参加する今大会は、日本が優勝候補の筆頭と楽観視する日本国民は少なくないが、頂点に立つのは簡単ではない。山崎さんは言う。
「日本は最強の選手を揃えてはいますが、優勝が盤石かと問われたら、やっぱり心配な部分はあります。優勝しかないという思いで日の丸を背負うプレッシャーは想像以上だと思いますし、例年よりも早く体を仕上げる調整が上手くいかない選手もいるはずです。日本のスモールベースボールで勝てると最初は感じていましたが、世界一へのハードルは明らかに高くなっています」
4番打者の大本命だった鈴木誠也が故障で出場辞退する厳しい船出を強いられた日本代表。この先も難敵や難関に直面すると予想されるが、史上最強軍団の評価が間違っていなかったと結果で証明する。
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