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「6番大谷翔平も面白い」鈴木誠也が辞退…WBC打線とローテはどう組む? 山崎武司が挙げるキーマン「ダルビッシュはイチローのように」
text by
間淳Jun Aida
photograph byNanae Suzuki/JIJI PRESS
posted2023/03/03 06:00
大谷翔平が合流間近の一方で鈴木誠也が出場辞退……現状を受けてどんな打順、先発ローテがベターか、山崎武司氏に聞いてみた
山崎さんは「相手にプレッシャーをかけたり、チームを勢いづけたりするために1番や2番で起用する方法はあると思います」とした上で、意外な案も口にした。
「3番打者は巧打者の吉田が一番良いとみています。吉田、村上、牧のクリーンアップの後ろに6番で大谷が控える打線もおもしろいと感じます。大谷だから気を使って上位打線やクリーンアップにする必要はありません。大切なのは、打線として機能させることですから」
世界一奪還へ、活躍が不可欠な「エースと4番」。今回の日本代表で4番が村上なら、エースは誰なのか。山崎さんは迷わずに「ダルビッシュです」と即答した。そして、こう続けた。
「ダルビッシュは誰もが一目置く選手です。村上とともに投打の柱としてチームを引っ張ってほしいです。大谷はスーパースターですが、チームメートも首脳陣も日本国民も、大谷に依存したら駄目だと思います。大谷を他の選手と同じようにチームの1人の選手と見て戦わないと、必要のない遠慮が生まれてチームが1つにまとまらなくなってしまいます」
「日本代表の方が確実に韓国より強い。ただ…」
エースのダルビッシュに山崎さんが期待するのは、韓国戦で日本を勝利に導く投球だ。チームの士気に大きく影響する宿敵とは、3月10日に1次ラウンド2戦目で対戦する。仮に、この一戦で日本が敗れても大会が終わるわけではないが、山崎さんは単なる1試合で片づけられない重みがあると話す。
「韓国は日本相手になると持っている以上の力を出してきます。その韓国を日本が叩けば、チームの雰囲気は一気に上がります。ペナントレースのような形であれば、日本代表の方が確実に韓国より強い。ただ、一発勝負はチーム力の差が結果に出るとは限らない難しさがあります。決勝戦のつもりで、韓国を倒しにいってもらいたいと思います」
その負けられない一戦をダルビッシュ有に託すのがベストだと考える理由は、引き出しの多さと安定感にある。
大谷が投じる直球の球速や球威、150キロを超えるスプリットを見れば、現時点の日本人ナンバーワン投手と言えるかもしれない。しかし、山崎さんは「調子が悪い時でも投球を組み立てられるところがダルビッシュのすごさです。韓国の圧力や想定外の事態にも動じない強さと冷静さがあります」と評する。