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谷晃生はW杯落選をどう受け止めたのか? 22歳が明かした“メンバー発表時のホンネ”「4人から外れるとしたら、自分だろうなと…」
text by
戸塚啓Kei Totsuka
photograph byEtsuo Hara/Getty Images
posted2023/02/16 17:00
2022年7月27日、E-1選手権の韓国戦でA代表デビューを飾った谷晃生。9月の欧州遠征でもメンバー入りしたが、カタールW杯は選外となった
日本のゴールマウスに立った権田のプレーからは、どのような印象を受けたのだろう。谷は「テレビで観ていただけでは、何とも言えないところがあります」と断りを入れ、しばらく考えてから慎重に答えた。
「そこの舞台に立ったときの緊張感とか、風がどれぐらい吹いていたのかとか、芝生がどういう状態だったのかとかが、僕には分かりません。そういうなかで何かを言うのは、あまり好きじゃないんです。ただ、権田選手の試合に出るための準備だったりは、最終予選からずっと見ていました。Jリーグでプレーしながらああいう大舞台でパフォーマンスを出せるのは、やはりしっかりとした準備をしていたんだろうなと」
古巣・ガンバ大阪に復帰「3年半後のW杯に向けて…」
カタールW杯が終了した直後の昨年末、湘南ベルマーレからガンバ大阪への復帰が発表された。正GKとして3シーズンを過ごしたチームを離れ、古巣復帰を決意した。
「基本的にその日、その日にできるベストを尽くすことを考えています。そのうえで、3年半後のW杯へ向けて、自分がどういうふうに歩んでいけばいいのか、というのはもちろん考えています。考えたうえで、ガンバに復帰することにしました」
ガンバのGKはハイレベルだ。
14年から9シーズンにわたってゴールマウスに立つ東口順昭は、36歳にして高いパフォーマンスを維持している。昨シーズンはケガの影響で19試合出場にとどまったが、ピッチに立った試合では勝ち点を引き寄せるセーブを見せた。
東口の不在時に出場した一森純と石川慧も、スタメンに選ばれてもおかしくない。彼らも実力者だ。
昨シーズンまでプレーしたベルマーレでも、定位置を巡る競争はもちろんある。それでも、3シーズン連続で正GKを務めてきた谷は、競争を牽引する立場だった。それがガンバでは、一転して追いかける立場からのスタートになる。
実はその環境こそが、谷が求めていたものだった。
<後編へ続く>
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