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箱根駅伝PRESSBACK NUMBER
あの1区大逃げランナーは車のディーラーに…箱根駅伝「話題の4年生」は卒業後に何をする? シード落ち古豪は進路先に“有名企業ズラリ”
posted2023/01/16 11:01
text by
佐藤俊Shun Sato
photograph by
JMPA
ひとつ壁を突き抜けたWのエースは旭化成へ
総合6位でシード権を取り戻した早稲田大は、エースの井川龍人が旭化成、主将の鈴木創士が安川電機、小指卓也はスバルに入社が内定している。
注目は、1万mで27分59秒74のタイムを持つ井川だ。花田勝彦が監督就任後、「世界」を意識するようになると積極的な走りを取り戻し、箱根では3区2位の走りで9人をごぼう抜きしてシード権獲得に貢献した。ひとつ壁を突き抜けた井川だけに今後の成長に期待が膨らむ。鈴木は「トラックよりも景色が変わるロードが好き」と語るように春からマラソンにシフトしていくことになる。世界陸上、そしてロンドン五輪でもマラソン代表として活躍した中本健太郎ヘッドコーチの下で才能を開花させることができるか。
“復路のモンスター”は埼玉医科大学グループへ
箱根駅伝総合7位の法政大は、主将の内田隼太がトヨタ自動車、扇育がマツダ、松本康汰が花王に入社予定だ。
2区8位の内田は、出雲駅伝で田澤廉(駒大)や近藤幸太郎(青学大)と5、6秒差のタイムで走り、ポテンシャルの高さを示した。高い意識と走力を持った選手がいるトヨタで、どこまで自分の力を伸ばすことができるか。4区7位と好走した扇が入社するマツダは中国地区の強豪でニューイヤー駅伝の常連チーム。トラック中心の競技になるが、まだまだ伸び代があるだけに今後の成長が楽しみだ。復路のモンスターと言われた9区5位の中園慎太朗は、埼玉医科大学グループで競技を継続する。東日本実業団駅伝ではニューイヤー駅伝の出場権を巡って熾烈な争いをしているが、中園が今後チームの支えになっていくだろう。
嶋津雄大はGMO、葛西順は旭化成へ
創価大で3年連続の4区を走り、今回区間8位の嶋津雄大はGMOインターネットグループ、7区区間賞の葛西潤が旭化成、9区2位の緒方貴典がトヨタ自動車九州に入社予定だ。
堅実な走りでミスをしない嶋津は、レベルの高いところでもまれてこそ真価を発揮するタイプ。GMOの質の高い選手の中で、走力を磨けば目標の世陸や五輪も見えてくるだろう。葛西は、創価伝統の脚作りで距離への不安はない。旭化成ではトラック、ロードともに経験豊富な選手が多いので二兎を得て、真に強いランナーに成長していきそうだ。主将の緒方はロードに強いチームでロードの走力に磨きをかけることになる。今井正人らベテラン選手から学ぶべきことも多いだろう。