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箱根駅伝PRESSBACK NUMBER
あの1区大逃げランナーは車のディーラーに…箱根駅伝「話題の4年生」は卒業後に何をする? シード落ち古豪は進路先に“有名企業ズラリ”
text by
佐藤俊Shun Sato
photograph byJMPA
posted2023/01/16 11:01
1区で大逃げを打つ関東学連の新田颯(育英大)。熊本県山鹿市出身の新田は卒業後、群馬トヨタで営業の仕事に就くという
シード落ちの明大の卒業生進路は有名企業の名前が並ぶ
箱根駅伝総合12位の明大は、1区区間賞をとった富田峻平が日立物流、2区14位の小澤大輝が富士通、8区8位の加藤大誠は旭化成、9区17位の下條乃將はNDソフト、10区18位の漆畑瑠人は安川電機、櫛田佳希はNTT西日本に入社する。
スピードが持ち味の富田は春からはチームの活動拠点であり、自らの地元でもある千葉に戻り、まずはトラックで結果を求めていくことになる。小澤は主将として様々なチーム改革を推し進めてきた経験があり、人間性の部分でも山本佑樹監督が太鼓判を押す存在。2区で思うような結果を出せなかった悔しさを抱えて生存競争が激しい富士通で、いつ頭角を現すのか楽しみだ。加藤はマラソンで世界と戦うのが目標だが、チームにはOBの鎧坂哲哉、ひとつ上の手嶋杏丞、鈴木聖人がおり、尊敬する相澤晃(東洋大卒)からも大きな刺激を受けるのは間違いない。世界6大マラソンのうち3つに入賞をするという目標に向けて春からマラソンの練習に励むことになる。漆畑は10区18位と結果を出せなかったが、これが最初の箱根だったように、まだ完成形ではないので、今後の伸び代が楽しみだ。櫛田は故障が多く、3、4年はトラックを走れていないが、春からはトラックを走り、まずは日本選手権の出場レベルまで上げていくことが求められる。
常連校の進路は多種多様。NTT、部員3名の陸上部、スーパー…
帝京大は、7区17位で主将の北野開平が山陽特殊製鋼に入社し、地元・兵庫県に戻って競技をつづける。現在の部員が3名なので、個人種目に特化できる環境で足を磨いていくことになる。
東海大は、3年連続で6区を駆けた川上勇士がサンべルクス、9区11位の竹村拓真がSGホールディングス、松崎咲人はNTT西日本、5区17位の杉本将太はコモディイイダ、佐藤俊輔は安川電機、そしてキャプテンの宇留田竜希はNTNに入社し、競技を継続する。
竹村にとってSGホールディングスは、最適のチームだろう。自分と似たコツコツ努力型のOB湯澤舜がおり、マラソンのお手本にもなる。練習施設が素晴らしく、成長するための環境が整っている。川上が入社するサンべルクスには1学年上でトラックが主戦場の市村朋樹がいるが、先輩の力を借りながら平地でどのくらい力を高めていけるか。ここからが勝負になるだろう。松崎は1年時7区3位と快走し、エースとして期待されたが、その後は故障がつづき、コロナの影響もあって最後の箱根は出走できなかった。実業団で仕切り直して輝きを取り戻すことになる。宇留田は主将としてチームを牽引する難しさを味わい、競技に集中するのが難しかったが春からは自分の走りに集中できるはずだ。