箱根“苦戦”の東洋大は多くの学生が競技を継続

　ここ数年、駅伝で苦しい戦いがつづく東洋大だが、多くの学生が競技を継続する。5区5位の主将の前田義弘は黒崎播磨に入社する。チームの主力である細谷恭平（中央学大卒）、田村友佑（岩国工高卒）に代表されるようにロードとトラック両面に強みを持つチームで持ち前の粘りと走力を高めていくことになる。今年14位に終わったニューイヤー駅伝でも力を発揮していけるはずだ。

身長189cmと長身の前田。5区では順位を3つ押し上げた　©Nanae Suzuki

　4区13位ながら昨夏の北海道マラソンで日本人トップの柏優吾はコニカミノルタに入社する。1学年上のOBの宮下隼人がおり、施設環境面でも申し分のないチームからマラソンで世陸、五輪を目指す。出雲、全日本では結果が出ず、箱根1区17位の児玉悠輔は愛知製鋼から新たなスタートを切る。8区区間賞の木本大地はセキノ興産、10区9位の清野太雅は昨年8月に北海道マラソンを経験しているが、中国電力で本格的にマラソンをスタートさせる。

8区区間賞の木本。東洋大とシード権争いを繰り広げ、箱根10位となった城西大学は4年生が出走しなかった　©Yuki Suenaga

東京国際大の3本柱は…

　箱根駅伝総合11位でシード権を失った東京国際大だが、3本柱の今後は非常に楽しみだ。イェゴン・ヴィンセントと丹所健はホンダ、山谷昌也は日立物流に入社予定だ。

4区でも区間新を記録し、箱根2区、3区と計3つの区間新記録を打ち立てたヴィンセント　©Yuki Suenaga

2区・丹所（一番右）。一番左は日体大の藤本珠輝　©Yuki Suenaga

　ヴィンセントは、ケニア代表として世陸や五輪を目指すが、ホンダで力をつけ、分厚い選手層の母国の壁を越えられるか。丹所も名門チームでOBの伊藤達彦の背中を追いながら世陸、五輪を目指すことになるが、ニューイヤー駅伝では今年、連覇を達成しており、駅伝での走りにも期待が膨らむ。山谷は、昨年の夏から調子を落としていたが箱根で1区10位とまずまずの走りを見せた。春からは、本来の走りを取り戻すところからスタートするが、日立物流には四釜峻佑（順大）、藤本珠輝（日体大）、富田峻平（明大）も入社予定で、同期で切磋琢磨できれば個人の成長はもちろんニューイヤー駅伝でも優勝争いに絡んできそうだ。キャプテンの宗像聖は、三菱重工に入社。マラソン中心のチームで井上大仁（山学大卒）や山下一貴（駒大卒）らチームの主力に喰らいついていけば面白い存在になるだろう。

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