実力者揃い順天堂大の4年生はトヨタ、富士通、日立物流…

　質の高い4年生が揃った順天堂大は、野村優作がトヨタ自動車、伊豫田達弥が富士通、四釜峻佑が日立物流、平駿介が九電工、キャプテンの西澤侑真がトヨタ紡織に入社予定だ。

箱根では3区を走った伊豫田　©Yuki Suenaga

　楽しみなのが伊豫田だ。関東インカレの1万mを制したが、この種目で順大勢の優勝は富士通のコーチを務めているOB三代直樹以来で、そこにまず不思議な縁を感じる。富士通にはマラソンでは東京五輪マラソン男子代表の中村匠吾（駒大卒）、2時間04分56秒のマラソン日本記録保持者の鈴木健吾（神奈川大学卒）がおり、トラックではOBの松枝博輝や塩尻和也ら実力者が揃う。箱根では3区7位に終わり、「エースになり切れなかった」と悔しさを見せたが、富士通ではエースに成長してニューイヤー駅伝で活躍し、個人としても世界を主戦場に戦ってほしい。

城西大学の“山の妖精”山本唯翔がゴールするまで5区の区間新記録保持者だった四釜　©Nanae Suzuki

　5区区間新をマークした四釜は、出雲、全日本といずれも最長区間を任されたロードランナー。春からはマラソンに向けて始動するが、日立物流は今年のニューイヤー駅伝12位と駅伝も強いので、四釜の粘り強い走りで貢献できるだろう。野村は、駅伝で苦しんだシーズンもあったが、ポテンシャルは4年生随一で伊豫田が「エース」と認める存在。トヨタで強者たちにもまれて一皮むけることができるか。8区3位と快走した平は地元・九州に戻り、白石高校、順大の先輩である吉岡智輝がいるチームで競技をつづける。10区区間賞の走りでチームの順位を5位に押し上げた西澤はマラソンで勝負しつつ、今年のニューイヤー駅伝9位になったチームに駅伝でも貢献していくことになる。

（注目ランナー編へ続く）