走れなかったキャプテンは…

キャプテンの宮坂大器は3年時、別府大分マラソンに出走し、2時間12分09秒で初陣を終え、そのポテンシャルに惚れたヤクルトから声がかかった。チームにはマラソンに強い高久龍（東洋大卒）、武田凜太郎（早大卒）に加え、青学大OBの小椋裕介がおり、人的な環境は申し分ない。箱根を走れなかった悔しさをマラソンで晴らすことができるか。

全日本大学駅伝でアンカーを務めた主将の宮坂大器。箱根駅伝は出場が叶わなかった　©Nanae Suzuki

　西久保遼は、地元・九州に戻り、九電工で走力を磨き、関口雄大は小森コーポレーションで競技をつづける。畦地貴斗は、ランニングのアパレルメーカーであるエルドレッソで市民ランナーと触れ合いながら走り続ける。5区9位の脇田幸太朗、6区20位の西川魁星、3年連続で10区を駆けた中倉啓敦は惜しまれながら現役を引退する。

昨年10区区間新を記録し、今年も10区でゴールテープを切った中倉。競技生活にもピリオドを打つ　©Yuki Suenaga

国学院大の「外さない」キャプテンは旭化成へ

　箱根駅伝総合4位の国学大は、キャプテンの中西大翔が旭化成、双子の兄の唯翔がNTTビジネスアソシエ東日本、9区10位の坂本健悟がプレス工業、6区12位の島崎慎愛はサンべルクスに入社予定だ。

出雲駅伝4区で区間賞を獲得した中西大翔（中央大と青学大の前）。箱根はケガで走ることができなかった　©Nanae Suzuki

「外さない男」として、箱根駅伝以外は獅子奮迅の走りを見せた石川県出身の中西大翔は、九州で新たに陸上生活をスタートさせる。学生ハーフ2位、全カレ5000m2位などロードもトラックもこなせるオールラウンダー。いずれマラソンを走るだろうがチームには鎧坂哲哉（明大卒）や村山謙太（駒大卒）のマラソン組に加え、相澤晃（東洋大卒）など錚々たるメンバーがおり、土方英和、藤木宏太らOBもいる。尊敬する土方とともに練習できる環境は中西にとってプラスでしかないだろう。

一昨年、3年時に走った6区を4年生として走った島崎慎愛　©Nanae Suzuki

　坂本は、藤沢翔陵高校の先輩でもある下里和義監督の下、地元・藤沢茅ヶ崎で走りを磨いていく。1年間、留年して6区12位で駆けた島崎は、スーパーで働きながら走力を高め、チームの最大目標であるニューイヤー駅伝出場に貢献していくことになる。

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