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大迫塁と福田師王…神村学園の“超高校級コンビ”が過ごした濃密な6年「また一緒にやりたければ代表に入ればいい」〈選手権Vならず〉
text by
安藤隆人Takahito Ando
photograph byL:Kiichi Matsumoto/R:AFLO SPORT
posted2023/01/08 11:10
神村学園のMF大迫塁とFW福田師王(ともに3年)。惜しくも決勝進出は逃したが、超高校級コンビとして大会の主役になった
「塁は見ているところが人と違いますし、これはセンスだと思います。だから僕がマークを受けていたり、囲まれていても動けば必ずボールが来る。今日の負けはそれを決めきれない自分のせいです」
準決勝後のミックスゾーン、福田は大迫からフィードやパスを受けながらも、1点しか決められなかったことを悔やんだ。一方の大迫は「1本ループパスで出したシーンは決めて欲しかったです」ときちんと注文を付ける“らしさ”を覗かせた一方で、「僕らは苦しい時もあったけど、2人で乗り越えてきた6年間だったと思います。感謝しかないです」と素直な気持ちを述べた。
「また一緒にやりたければ代表に入ればいい」
高校最後の試合を終え、改めて2人にお互いの存在について聞いてみた。
福田は言う。
「塁は神です。僕が評価されてきたのも彼のパスがあってこそなので、本当に感謝しています」
大迫は言う。
「2人で飯食いに行った時とか、点を取った時とか、どんな試合でもどんな日でも思い出は心に残るものだった。僕ら2人はこれから日本サッカーを引っ張っていかないといけない存在だと思っているので、自信を持ってやっていきたいです。僕にとって師王はいつまでもエースストライカーです」
6年間コンビを組んだ2人は、これから別々の道に進む。そもそも、違う道に進むことは望んでいたことだった。
「2人のコンビネーションでやれることは立証済みなので、1人で何ができるかを試したいんです。また一緒にやりたければ代表に入ればいいだけの話なので」(大迫)
次は日本代表のユニフォームを着て会おう――そう誓い合った2人は、これからどんな成長曲線を見せてくれるのだろうか。日の丸を背負って海外の強豪国と対戦する時、またお互いの存在について聞いてみようと思う。2人の物語は、新しい章に突入した。
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