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「何だ、アイツは…?」相手サポーターが“ミトマ”をスマホでググった…“プレミア再開”三笘薫(25歳)のドリブルに英国ファンもビックリ
text by
田嶋コウスケKosuke Tajima
photograph byAFLO
posted2022/12/30 11:03
W杯後、プレミアリーグ再開初戦となったサウサンプトン戦(12月26日)。三笘薫はフル出場で3-1の快勝に大きく貢献した
「プレー強度の部分は慣れが大事だと思うので、(プレミアリーグでプレーしていたので)そこは徐々に出せたと思う。また、ブライトンのグレアム・ポッター前監督の下でウイングバックをしていたので、守備の経験も積んでいた。そこは代表でもうまく生きたなと感じています。でも、ブライトンと日本代表はチームが違う分、やることも変わってくる。日本代表はコミュニケーションが取りやすいですけど、もっと自分の特長を出せるようになっていかないといけないなと思っています」
話を聞いていて、最も印象に残ったのは「代表でも、もっと自分の特長を出せるようになっていかないといけない」との言葉だった。
日本代表とブライトンでは、そもそも求められている役割が違う。そんな発言を、三笘はW杯前から繰り返し述べてきた。今回の試合後も「ブライトンは、後ろからボールをつなげるチーム。だから、ビルドアップの形をすごく練習してる。後ろのビルドアップがうまくいける分、自分は高い位置にポジションを取れるので、攻撃に専念できる。自分としては、そこはすごく助かる。自分の特長を出しやすいので、うまく入れてると思います」と話していた。
取材を通して改めて感じたのは、やはり三笘はゴールに直結する動きができるアタッカーであり、そのレベルもプレミア屈指の破壊力がある、ということだ。守備時に最終ラインまで戻るウイングバックで起用していては、三笘の個人能力をフルに活かすことはできないのではないか。
今年9月に就任したブライトンのロベルト・デゼルビ監督も、三笘をウインガーに配置して攻撃に専念させてきた。後方のディフェンスは、左SBのエストゥピニャンや守備的MFのモイセス・カイセドがカバー。三笘の「個の力」をゴールに近いエリアで活かそうと、イタリア人指揮官はチーム全体をデザインし、戦術をトレーニングで落とし込んでいるのである。その結果、ブライトンでの活躍につながっているわけだ。
突然現れた吉田麻也「ナイスプレー!」
サウサンプトン対ブライトンの一戦には、日本代表の主将を務める吉田麻也も訪れた。吉田はブンデスリーガのウィンターブレイクを利用し、ドイツとは別に住居のある英国に滞在中。20年1月に離れてから、サウサンプトンにはコロナ禍の影響で訪問するチャンスがなかったが、三笘がプレーすることもあり、サウサンプトン対ブライトン戦を観戦することにしたという。吉田にとって、約3年ぶりの古巣訪問だ。